138.私たちにだってできることは必ずある
「あまりにも狭すぎるんだよ」
陽葵が、言った。
「狭すぎる?」
「たしかに、広すぎることはないけど」
「私たちが、一気に動き回れるほどのスペースはあると思うんだけど」
夢描は、少し納得いっていないようだった。
「そうだね」
「きっと司は自分一人だったら」
「今すぐにでも魔法を使ったはずだよ」
陽葵は、いつもみたいにふざけて言うのではなく
真剣な顔で言った。
「私たちが、いるから」
「司は使いたくても使えない。」
「きっと、司が魔法を使ったら」
「この空間は崩壊する」
「司だったら一瞬で逃げられるかもしれないけど」
「私とか、りかとか夢描とか」
「そんなに早くわ逃げられないでしょ?」
「そうだね」
いつもは、悪口を言っているだけだと思っていたが
やっぱり勇者に選ばれるだけの判断力があるのだろう。
「じゃあ」
「このまま、司が魔力切れになるのを待つしかないの?」
「俺たちが、先に出ていくのは?」
直人が言った。
「それも、考えたよ」
「でも、司は多分もう1人でもここから逃げられるぐらいの力は残ってない。」
「いつもより、右足に力がはいってないでしょ?」
「きっと、足も怪我してるんだよ」
「陽葵の、観察力はすごいね」
全然気づかなかった。
でも、普通に考えれば
さっきズグーラの攻撃を食らって壁に激突したんだ。
りかが、治癒魔法をしたけど完全に治す前に
司はもう一度戦ってしまった。
「私、怪我を治すの」
「頭とか血が大量に出てるところしか」
「治せなかった」
「私が気づいていれば」
りか、自分の失態を悔いた。
「そんなことは無いと思うよ」
「りかが、血を止めていなかったら」
「出血多量で今頃倒れてたから」
陽葵は、そう言った。
「じゃあ一体どうすれば良いのですか?」
「私に一つだけ作戦があるの」
陽葵は、体をこちらに向けて説明をしだした。
「ーーー」
「ーーーーーーーーー」
「ーー?」
「それなら私が分かりますわ!」
「ーーー」
「ーーーーーー」
「ってやるのはどう?」
「たしかにそれなら司は俺たちを気にせず戦える」
「でも、司の腕の傷が治らないとそれは出来ないんじゃ」
「わ、私多分できる」
りかは、言った。
「えっ?」
「司の近くに行くことは不可能なんじゃ」
流星は、りかの発言に驚いた。
「大丈夫」
「私たちは、司の邪魔をしないやり方で」
「司を守れるよ」
「私も、成長したい」
いつも大人しく優しいか弱いりかが、
今は1人の戦士として強く見えた。
「じゃあ最初に流星、りかよろしく」
「―分かった」
「―はい!」
2人は返事をした後それぞれ魔法を唱え始めた。
「鑑定魔法」
「岩質透視」
「治癒魔法」
「霊糸共有」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿時間が遅くなってしまってすいません。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




