132.後ろから聴こえたのは叫び声
「ぎゃぁぁぁぁぁ」
「えっ?」
陽葵達が鉄鉱石があるところを探索している時だった。
後ろから叫び声が聞けえたのは
しかも
―すぐ後ろから
「な、なに?」
突然の事でりかは怯えていた。
「誰の叫び声?」
声の高さからして女性であることは間違いないけど
「あれ?」
「そういえば」
「夢描は、どこにいるの?」
直人のその言葉で、みんなは嫌な予感がした。
よくよく考えるとあの声は、聞き覚えのある叫び声だった。
あの声は、夢描?
「とりあえず声のする方に行こう。」
そう言って陽葵達は、来た道を全速力で戻った。
──────
「夢描?」
少し走ったところで夢描が、壁に寄りかかってぐったりとしていた。
それを見たりかは、近くまで行き怪我の治療をしようとした。
が、
「あれ?」
「夢描、どこも怪我してないよ?」
さっきの声は、痛がって叫んだ訳では無いのだろうか?
「ち、ち、ちがくて」
明らかに夢描の声は震えていた。
よく見ると目には涙まで浮かべている。
「落ちついて何があったのか教えて?」
陽葵は、優しく問いかけた。
「わ、私のあ、」
「足に」
「あ、あ、あいつが」
途切れ途切れに言う夢描が指さす先には
...カサカサ
カサカサ
「ぎゃぁぁぁぁ」
―奴がいた。
元の世界の言葉を借りるとするなら
ゴキだ。
何匹も群がっている。
あの動きや形だけでもいい気はしないのに
なんと、異世界のゴキにはプラスで
色がキラキラと光沢を示している。
「おお、」
「なんと、鮮やかなんだか」
直人も、苦手なのかゆっくりと離れていった。
「まぁ!まぁ!」
そんな直人は対照的に
ゴキに興味を示し近づいて行ったのは恋歌だった。
「恋歌、そっち系もいけるの、」
りかは、驚きとゴキに対する恐怖感で声を震わせながら言った。
「もちろんですわ!」
「こちらの世界では」
「キラゴと言うお名前なんですわよ!」
どこの世界でも『ご』はつくんだなぁ。
なんて、現実逃避をしていた。
「でも、不思議だね。」
そういえばもう一人自然などが大好きな人がいたな。
「あら、流星何がですの?」
「元の世界のゴキブリは、」
「色が黒いだろ?」
「天敵に見つかりにくくするためとかの理由で」
「なのに、この世界では」
「目立ちすぎなぐらい派手な色だよね?」
そんなに、じっくりとキラゴを見て考えることがあるのか?と思ったけど確かに、そうだな。
私も、見た瞬間派手だと一瞬で思った。
これでは、まるで食ってくれと言っているようだ。
「それは、ですね!」
「ちゃんとしたわけがあるのですわ!」
これは、恋歌の心に火をつけてしまったようだ。
「キラゴの特徴と言ったら」
「宝石など光るものの近くにいることがほとんどなんですわよ!」
「その中で黒などといった色のキラゴがいたら」
「それこそ、天敵に捕まってしまうんですわ!」
お嬢様は、いよいよ人差し指を立て始めた。
「なるほど!」
「じゃあ返って自分を守るために」
「この色になったのか!」
「その通りでございますわ!」
「恋歌の、説明はとっても分かりやすいね!」
「そうでございますか?」
「私、今だったら」
「この鉱山にいる全然虫を丁寧に教えてあげますわよ!」
流星は、恋歌の虫オタク心をくすぐるのがとてもうまいようだ。
「でも、災難だったねぇ」
「キラゴが足についてたなんて。」
「そうだよぉ」
「なんか、痒いなぁって思ってみたら 」
「キラゴが2匹にいたし。」
「一瞬何が起こったのか分かんなくて」
「五分ぐらいフリーズしてたよ。」
だから、夢描が着いてこなかったのが分からなかったのか。
「それは、本当に災難だね」
りかも、慰めるように夢描の背中を撫でた。
「りかぁ」
「治癒魔法で私の傷ついた心癒してぇ」
「それは、無理かなぁ」
「そんなぁぁ」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




