129.役に立ちたい
「虫が好きっていいね」
陽葵は、恋歌に向かって言った。
「虫以外にも石が好きですわ!」
「お家にはたくさんの石や宝石がありましたからね」
さすがお嬢様だ。
「だから、あんなに行きたがってたのか?」
ずっと話を聞いていた直人が言った。
「それももちろんありますが」
「1番はやっぱり」
「お役に立ちたいからですわ」
さっきまで興奮気味だった恋歌が、
ゆっくりと優しく言った。
「私は、こちらの世界に来てからこれと言って」
「行動を起こすことがてきてませんでした」
「そんなことはないんじゃない?」
りかが、言った。
「いいえ、」
「そんなことがあるのです」
「それなら、私も何も出来てないけど...」
りかは、治癒魔法を使えるからこれから
使う出番はグッと上がるだろうが今まで
傷を急いで治すという場面がなかった。
「りかは、これから」
「お仕事が増えていくでしょ?」
恋歌も、同じ考えのようだ。
「私は、これから先も」
「きっとお役に立てないのです」
恋歌の、固有魔法
―歌魔法は
ざっくり説明すると。
高音波を出して相手の脳に攻撃をする。
それは、戦場になったらな活躍できるのではないだろうか。
「戦場は、みんなが活躍する場です。」
「私、1人が活躍する場でないのです。」
「確かに、そうだよね」
「戦場は、みんなが全力を出す場だね」
陽葵も、言った。
「でも、だからと言って」
「恋歌が、役に立っていない訳じゃないんじゃない?」
「そうですね」
「でも、私は菊池家の娘として」
「恥じぬ行いをしていきたいのです。」
「それに、今回は私の得意分野でしたので」
「こちらにきてから石などの本はたくさん見たので」
恋歌は、はっきりとそう言った。
「それじゃあ僕要らなくない?」
流星は、ただただ気まずそうな顔をしていた。
「そ、そんなことないですわよ!」
「それに、―――――」
恋歌も、慌てて自分の言葉を訂正するために
流星に話し出した。
「...そう思える恋歌」
「...すごいな」
ボソッと呟いた声がした気がした。
一体誰が言ったのだろうか。
「さぁ!」
「あともう少しで鉱山に着きますわ!」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




