127.司は意外と
「そんなことは、」
一は、深刻そうな顔をしていた。
「や、やっぱり違いますよね」
その顔を見た陽葵も焦りながら訂正しようとした。
「そんなことは、」
「絶対に避けたいよね」
「あっ、え?」
これは、陽葵の答えが正解だったということでいいのだろうか?
「いやぁ」
「君たちの考えの良さは何回」
「聞いても驚きだよ」
喜んでくれて何よりだが
なぜ、一はいつも1回驚かせるような
リアクションを取るのだろうか。
「心臓に悪いですよ」
「はは、」
「ごめんねぇ」
「おじさんはからかうのが大好きだからね」
「それは、嫌な趣味だな」
相変わらず司は、年齢関係なしにえぐいツッコミはかわすなぁ。
「これは、勇者様に恥ずかしいところを見せましたな。」
一は、恥ずかしそうにしながら言った。
「いや、別に見慣れたからそこまで気にする事はない。」
「それに、俺でも知らない知識を教えてくれるからな」
「助かっている」
司にしては、優しい言い方だった。
そして、褒めている。
「ありがとうございます。」
一も、今度は嬉しさで満ちた顔をしていた。
「あれ?」
「司さん」
「褒めるとかって珍しくないですか?」
「俺のことは褒めないのに」
また、蓮はだる絡みをする。
「ちっ、」
案の定、司はイライラとした顔をむせながら舌打ちをかました。
「お前には褒めるところがないからだろ」
司は、ボソッと言ったつもりなのだろうが
...聞こえている。
「えっ?」
良かった
バカだ。
さっきのが聞こえていたらもっとめんどくさい事になってたからな。
「な、なんでもないよね?」
──────
―2日後
「それでは張り切って参りましょう!」
いつもの戦いように考えられた真っ黒い服とは違い
今回は、なるべく動きやすく邪魔になりにくくなるように未来が考えた、
新品の服を身にまとった
恋歌が、意気揚々と先頭を切りながら駆け足で前へ前へと進んでいた。
「今日は、恋歌元気だねぇ」
その後に続いてゆっくりと歩く陽葵が言った。
「もちろんですわ!」
「私今日が楽しみで」
「夜もしっかりと眠ることが難しかったですもの!」
そこまでなのか、
と言いたくなったが
恋歌の気分を変えるような気がしたので辞めた。
「てかさぁ」
「なんで私達もついて行くの?」
朝から、でたが
日が出てきたせいで
額から汗を垂らしている夢描が嫌味混じりに言った。
「仕方ないじゃん」
「だって」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




