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124.意外だと思われても

「さすがに3人はきついよね」

「最低でも7人は欲しいかな。」


今は、司と流星、直人の3人だからあと4人は必要か。


「で、でわ」

「私も参加してもよろしいでしょうか。」


いつも、当たり前のように丁寧な言葉を使うのはこのクラスの中で1人だけ。


「恋歌が?」


「はい、」


恋歌は、誰が見ても認めるお嬢様だ。


そんな恋歌が鉱山になぜ行きたいのだろうか。


「君は、なんで行きたいんだい?」


一は、聞いた。


「私は、今まで皆さんのお役に立てられていません。」

「ですから、私が少しでもできることでお役に立ちたいのです。」


恋歌の、目は本気だった。


だが、


「失礼だが」

「君の育ちは良いのだろう?」


一は、直接恋歌に確認したわけではないが

喋り方や所作で何となくわかるのだろう。


「鉱山というところはね」

「薄暗いし足場もあるようでない」

「それに、虫もでる。」

「そして、帰りたいと思っても簡単には帰れないんだよ?」


一は、恋歌の前に立って言った。


「それでも行きたいのかい?」


恋歌が、無力だとか絶対に無理だと決めつけているわけではない。


一は、ただ嫌な思いを恋歌にして欲しくないのだろう。


「...はい」

「それらのことを承知の上で」

「行かせてください。」


「...うん」

「わかったよ」

「じゃあ、恋歌頼んだよ」


「もちろんでございます!」


正直驚いた。


一に、あんなこと言われたら自分は怯んでしまうかもしれないのに。


恋歌は、一瞬考えた後に行くことを決意した。


「恋歌意外と根性あんだな!」


直人は、恋歌の方へ親指を立ててグッとポーズをした。


「もちろんですわ!」


恋歌も、直人と同じようにグッとポーズをした。


「あの子は育ちがいいのに」

「1ミリも自分を自慢しないんだな。」


驚きと興味深い

そんな声が一の方から聞こえた気がする。


「今から心が踊りますわ!」


──────

「じゃあ次は誰が行く?」


一は、聞いた。


「もちろん俺は行くぞ!」


いつもの元気さをフル回転させたような蓮の声がした。


「蓮は、本当に元気がいいんだな。」


一も、少し笑いながら言った。


「俺は、」

「絶対に役に立つぞ!」


「そうだね。」

「でも、今回は鉱山に君は行かないでくれ」


「な、なんでですか?」


蓮は、一の言ったことの理由がわからないようだった。


「蓮は、俺の手伝いをして欲しいんだ。」


一は、ニコッと笑って言った。


「手伝い?」


「ああ」

「今ね新しい魔道具の開発をしてるんだよ」


「魔道具?」


「魔道具は知ってるだろ?」


「はい」

「以前使っているところを見たことがあるので」


以前司が使った幻想の面は魔道具だった。


魔法石をはめ込むことによって使えるあの魔道具?


「それは、貴重な体験だね」


「でも、なんで」

「今魔道具を新しく開発する必要があるんですか。」

「それに、俺が手伝いだって」


魔道具が、使えるのはありがたいが

今は、武器を作るべきではないか?


「蓮の言う通りかもしれないね。」

「でも、ここにいるのは」

「全員魔法がちゃんと使えるものだけかい?」

「そして、その魔法は、攻撃系のみかい?」

「なんなら、全員魔法が使えるのかい?」


「...」


その質問に対する答えは全て違う。


未だに魔力の使い方に苦戦するもの。

使い方が分かったとしても戦場で活躍できないもの。

そもそも、楓や陽葵のように魔法が使えないもの。


ここにはそんな者たちもいる。



「だから、俺は考えたんだ。」

「魔力を使わずに魔法を使う方法を」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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