115.時間もお金もないなら〜傷つけるのも助けるのも武器だからできること〜
「仲間を守る武器」
「そうだよ」
「その条件にピッタリ合う武器はなんだと思う?」
一は、質問を陽葵に投げた。
仲間を守るための武器、
剣は確かに仲間を守れるけど
剣を扱うのには技術とそれなりの魔法が必要だろう。
蓮や花のような、弓、銃はコントロールが必要だ。
それにこれらは、守るとより敵を攻撃するのに特化している。
これらのことから考えられるもの1つだった。
「...盾?」
陽葵は、自分の答えに疑問を持っているかのように言った。
「正解だ!」
「よく当たったな!」
一は、まさか陽葵が当てるとは思っていなかったのか
拍手をしていた。
「あ、合ってるんですか、」
陽葵は、未だに信じられなかった。
確かに盾なら仲間を守れるかもしれないけど
「盾って武器なんですか?」
色々聞きたいことがあるみたいだが、
「もちろん」
「誰かを傷つけるために使ったり」
「誰かを守るために使ったりすれば」
「武器だよ」
「たとえ、それが言葉でも盾でもね」
「そうですね。」
陽葵も納得したらしい。
「よし!」
「それじゃあ」
「他のみんなもじゃんじゃん聞くから」
──────
「ーーだな。」
あれから数時間が経過した。
ようやく全員の武器を何にするか決まった。
「決まったのはいいがな。」
司が、前に出てきて一に問いた。
「武器を作るための道具や素材は」
「どうやって集めるんだよ」
司の言う通り
私たちには、武器を作れるような
炉やハンマーのようなものを持っていない。
「武器を作るのに大量の鉄も必要になるんじゃないか?」
この中で一番多い武器はやはり剣だ。
その他にも鎌やハサミなど鉄を大量に使うことになる。
それをお金で買うとなったら
何ヶ月かかることやら
「それなら心配はないよ。」
「蛍さんと言ったかな?」
一は、蛍の方を見ながら言った。
「は、はい」
蛍は、次に何を言われるか大体考えられた。
「君の魔法を使わせてくれないか?」
一は、蛍が剣を作り出せる魔法であることを知っていた。だから、こんな提案をしてきたのだろう。
だが、
「無理ですよ」
蛍は、キッパリと一の思いを切った。
「さっきもお伝えした通り」
「私が作り出す剣は、」
「折れやすいんですよ?」
作り出す時間は、だいぶ短くなったが何故か耐久力だけは変わらなかった。
「それなら心配ないよ」
一は、ケロッとしながら言った。
「君が作り出した剣に」
「僕の魔法で最強の武器に変える。」
「まぁ、職人としては」
「最初から最後まで作りたい気持ちはやまやまだけど」
「時間もお金もかけられないからね」
「剣だけでも浮かせないと。」
一も、この提案はあまりしたくないのだろう。
でも、そんなことを言ってられないほどの状況であることも知っている。
「まぁ、それならいいですけど」
蛍も、一の言葉に納得した。
「それに、」
「耐久テストも行うから」
「よろしくお願いしますね」
「勇者様」
「げっ、」
一は、ニコニコしながら言った。
「めんどくせぇ」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




