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110/111

110.まだ分からない。

「ここが、私たちの家ですよ」


陽葵たちは一に秘密の部屋を明かした。


「本当に分からないな。」


一は、建築士ではないがものを作る専門として

陽葵たちの住む秘密の部屋に感動していた。


「この人が一さんですわね。」


花の家族に今回は会いに行かなかった人たちが奥から来た。


「なんで知ってるんだい?」


一と陽葵たちは今家に着いたばかりなのに


一のことを知っていた。


「ああ、」

「そこの後ろにいる司の魔法ですよ」


司の固有魔法の一つである風魔法の結風伝心(けっぷうでんしん)

この魔法は、ある一定の条件が揃えば対面に居なくとも伝えたいことを風に乗せて伝えられる魔法。


「そんなすごい魔法」

「さすが勇者様ですね。」


「あれ?」

「バレたの?」


そこまでは言ってなかったな。


「そんなことないですよ」

「この魔法国境を超えたら使えないし」

「なんなら、風魔法と相性のいい魔法の持ち主としか」

「交信ができないんですよ。」


なんで、蓮がそれを言うのだろうか。


司は、全く気にしていない様子だった。


「この魔法と一番相性がいいのが私なんです。」


恋歌が、喋った。


「私の固有魔法である歌魔法は」

「空気を振動させて使いますからね」

「風魔法の派生だと思いますわ」


「歌魔法!」

「そんな固有魔法は聞いたことがないな」


ここに来てから一は興奮しっぱなしだ。


「それは、良かったですわ」


恋歌も、自分の固有魔法を褒められて満更でもなかった。


「一さんも、派生魔法なんだよ!」


花は、言った。


「おぉ!」

「俺たちと一緒だ!」


「みたいだね。」


一は、みんなにとっておじさんのようなお兄さんのような存在になった。


「一さん、みんなと打ち解けるの早くない?」


「そうだね」

「やっぱり鍛冶師だから?」


「絶対に関係ないよ」


誰にも見つからないこの部屋の中に笑いが広がっていった。


──────

「ところで」

「最強の武器は、どうやって作るんですか?」


真面目な話を切り出したのはやはり空だった。


「そうだね」

「最強の武器は」

「まだ分からないかな」


「えっ?」


さっきから、最強という言葉を強調していたから。

てっきり、最強の武器を知っているから仲間になったのかと思った。


「えっとぉ、」

「言葉の使い方がおかしかったね」

「俺が、言いたかったのは」

「一人一人にあった最強の武器は今分からない」

「って言いたかったんだよ」


ごめんごめんと謝りながら言った。


「例えばの話をするとね」

「体が小さいのに自分の背丈よりも高い大きな剣を振るうのと」

「自分が振り回しやすい長さの剣を振るのだと」

「どっちの方が長くそして強く戦えると思う?」


「振り回しやすい長さの剣。」


蛍が答えた。


「その通りだ。」

「つまり、大きいからとか」

「軽ければいいとか」

「そういったことでは最強の武器は作れない」

「君たちに合った最強の武器を作る。」

「そのためにも」

「まずは君たちのことを教えてくれ。」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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