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109/110

109.変わらぬ笑い。

「じゃあ、私たちの秘密の部屋に行きますか!」


「秘密の部屋?」


陽葵たちは、花の家族と別れて地下へと帰ろうとしていた。


「私たちのお家です。」


空は、一の質問に答えた。


「絶対にバレないところなんですよ」


花の顔がニヤニヤしていた。

その顔は、まるで悪ガキのようだった。


「君たちは、俺が想像しているより」

「不思議な子供だな。」

「異世界人に勇者様」

「それに、絶対に見つからない秘密の部屋だってぇ」

「生まれて初めての体験をしてるよ。」


喜んでくれて何よりだ。


──────


「陽葵、」


司は、みんなの後ろに陽葵を呼んだ。


「どうしたの?」


「本当にあの男を信じてもいいのか?」

「俺たちの情報を出しすぎじゃないか?」

「俺たちは、あいつらのことよくわかってないんだぞ」


司の顔つきが真剣だった。


確かに、情報を上げすぎたかもしれない。


「でもさ、司のことは」

「これから先協力するならバレるだろうし」

「そこでバレたら説明が難しくなるでしょ?」


「確かにそうだが」


「それに、作戦を立てるのに」

「地上で話したら」

「色々と面倒くさそうじゃん」

「私たちが、転生してきたってことがバレたのは想定外だけどね」


花がポロッと言ってしまったからな。


「だけどなぁ」


司は、勇者だから人を信じすぎるとどんなことが起きるのか。

今まで痛いほど経験してきたから心配なのかもしれない。


「大丈夫」


陽葵は、そんな司を見て言った。


「それに、一さん()()

「言ってないことがあるし」


「そうだな」


「何かあったら」

「よろしくね」


陽葵は、いつものように笑顔を見せた。


司は、その笑顔に引っ張られるようにクスッと笑った。


「わかったよ」


「あぁ!」

「陽葵と司がまた二人でコソコソ話してるよぉ」


「別になんでもないですよぉ」


この1年の中でたくさんのことがあった。


何度も命の危機を感じたけれど


その最後には必ず笑顔があった。


今となっては、仲間も増えた。


「じゃっ!」

「帰りますかぁ。」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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