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106/109

106.許せないのは、〜ここにいる意味〜

「協力させてくれないか?」


「えっ?」


予想外すぎる言葉に思わずみんなは固まってしまった。


「あの、」

「協力するとは一体どういったことですか?」


陽葵は、怪しすぎる男に恐る恐る言った。


「あっ、」

「ごめんなぁ」

「俺、怪しいよな」


「あ、」

「い、いやぁ別に怪しくはないんですけど」


誰がどう見ても怪しいだろう。


「実は俺、昔」

「武器や防具を作る」

「鍛冶師だったんだ。」


そうは、見えないと思うけどと男は苦笑いをしながら言った。


「鍛冶師って」

「すごい人なんじゃないですか?」


花が言った。


鍛冶師は1、2年でなれるようなものではない。

最低4年は、師のもとで勉強をする。

その4年の中で挫折するものが多いと言う。


だが、何より手に職をつけたあとは

稼ぎもよく一生お金には困らない。


戦争を頻繁にするインディス王国には、武器そして、防具が作れる鍛冶師は何よりも必要な人材だ。


「失礼ですが」

「そんな鍛冶師の方がなんでここにいるんですか?」


ここは、王族から嫌われ国から逃げ出したくても逃げ出すお金がない。

必死に働いても、明日のご飯を食べれる保証はどこにもないそんな人達が住む場所。


それなのになぜ?


「実は、私も王様に嫌われてしまってね」


―嫌われた


「俺は、王族の直属の騎士団」

「翼の騎士団にも武器とかを下ろしていたんだ。」

「でもな、」


男は、そう言ったあと表情を暗くした。


「俺の作ったっていう剣が使えないと言われてしまってな」

「それから、俺がここに来るには」

「そうかからなかったな」


それは、きっと男にとって一瞬のようで永遠の出来事だったろう。


「そんなことが」


陽葵は、まるで自分の事のように悲しい顔をした。


「あはは」

「君は優しんだな」

「でも、ここにいるヤツらほとんどが」

「辛い過去を持ってる」

「俺だけじゃないよ」


そうだった


ここにいる花の家族を含め全員

私たちでは、想像することができないほどの過去を持ってる。


「別に、俺は」

「自分の作った武器が使えなかったことに怒ってるんじゃない」

「どこが悪いか言ってくれたら」

「俺は、最高の剣だって作る」

「でも、あいつらは、使えないからもういいの」

「一点張りだった。」


あいつらとは、翼の騎士団と千国王のことか。


「だから、俺は」

「俺の作った最上級の武器で」

「あいつらをぶっ潰したい。」


男の話を聞いてよくわかった国王を倒したいと思っているのはきっと私たちだけじゃないはずだ。


「わかりました」


陽葵は、言った。


「共にに戦ってください」

「ーあなたが作る武器で」


陽葵と、男は静かにそして強い握手を交わした。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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