104.この世のものでない美形
「できたぁぁ!」
夢描のここ最近なかった大きな声が部屋の中を埋めつくした。
「本当!」
夢描の声を聞いてみんな集まった。
「どんなのになったのかずっと気になってたんだよ」
夢描は、途中の絵を見て欲しくないみたいで、
みんなはまだまだかと待ちわびていた。
「って、」
「うまっ!」
実物の絵画を見た空が驚いていた。
さらに、夢描が書いたのは小さい頃の天龍様ではなく
みんなと同い年の天龍様を頭の中で想像して描いたものだ。
そのため、鼻の形、輪郭、髪の長さ、姿勢
全て微妙に違う。
そのお陰で、実物の絵よりも大人っぽく見える。
「そんなことないよ」
「やっぱりプロはすごいよ」
「その人の良さを全面に出せてた。」
誰から見ても、夢描の絵は上手いし天龍様がどんな方かも覚えやすいのに
「まだまだだなぁ」
──────
「てかさ、天龍様って」
「めっちゃ美形なんだな」
蓮は、夢描の描いた絵をじっくりと見ながら言った。
「やっぱり異世界の人は美形なのか」
蓮は、しみじみと言った。
「まっ、」
「近所の人からは可愛いって言われ続けてきたしね。」
「花のことじゃねぇよ」
「なんですって!」
そういえば
花も異世界人だった。
「蓮?」
「私たちは十分美しいでしょ?」
「ひっ!」
蓮が敵に回したのは花だけじゃなく
女子全員だったようだ。
「司、」
「これは、天龍様に似てる?」
夢描が、司に描いた絵を手渡した。
「ああ、」
「完全に同じわけではないが」
「天龍の特徴は合ってると思う」
そう言って司は、紙を夢描に返した。
「でもさ、」
「司こんなに綺麗なお嫁さんがいるとか聞いてないぞ」
透も、蓮の勢いにのまれたのか言った。
「変な事言うな」
「嫁じゃなくて婚約者だ。」
司は、冷たくあしらった。
「そんなんじゃ」
「誰とも付き合えないな」
司は、顔はいいのに性格に難があるんだよな。
「別に、付き合いたいとかは思わない。」
バッサリと言った。
「へいへい」
「そりゃようござんしたねぇ」
「なんだその言い方は」
「本当にお前はーーーー!」
「ーー!」
「もう、なんで男子ってすぐうるさくなるのよ」
花が耳を塞ぎながら言った。
「本当にね」
陽葵も、苦笑いをしていた。
「そういえば」
「陽葵は、実物の絵見れなかったんでしょ?」
花が、夢描から聞いたのか展示会の時の話をした。
「そうなんだよ」
「これが天龍様だよ!」
夢描が、嬉しそうに見せてきた。
「夢描本当に絵が上手いんだね!!」
「ほら、線の書き方とかめっちゃ綺麗!」
「えぇ、」
「褒めるとこそこぉ?」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




