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101.幼き姿

展示会の区切られた一角に置かれた

大きな絵画


その絵に描かれた少女は、この世のものとは信じられないほど

美しい姿をしていた。


黄金に輝く長い髪


そして大きな宝石をはめ込んだように

綺麗なエメラルド色の瞳。


シルクのような肌。


きっとこの絵は、誰が見てもうっとりと心が奪われるに違いない。


でも、その少女の目に光はなかった。


まるで、全てを諦めたような 


何も期待しないような


──────

「これが天龍様?」


3人は、絵画を見ていた。


「あぁ、」

「この瞳の色は間違いなく」

「天龍だ。」


本物かどうかの判別が瞳の色って


「なんか、想像していた天龍様よりも」

「幼いんだけど」

「もしかして、司」

「ロリコン?」


「なんだ」

「そのロリコンというものは」


「小さい女の子が好きな人のことだよ」


空は、丁寧に説明してあげた。


「なっ!」

「なんで俺がそのロリコンとやらになるんだ」


司が、まさかそんなものに見られていたのかとびっくりしていた。


「だって、天龍様と司は」

「婚約者だったんでしょ?」


夢描は、さっきの反省点を活かして小さい声で言った。


「まぁな」

「だが、それは、俺か勇者だったからだ」


つまり、攻略結婚だ。


2人の間に恋愛感情なんて存在しなかったのだろ。


「それにな、」

「天龍は、俺らと同い年だぞ」


えっ?


どう見ても絵の中にいる天龍様は、せいぜい6、7歳だ。


「天龍は、昔から身体が弱くて」

「長時間同じ体制で入れることができたのが」

「この年で最後なんだよ」


だから、この絵はこんなにも特別なのか。

つまり、これよりあとの絵はこの世に存在しない。


「でも、天龍は、そこまで外見の変化はなかった」

「気がする」


最後の言葉で不安さは増したが、


「わかった」

「何とか私たちの年代に合うように頑張ってみるよ。」


ここから、夢描の仕事だ。


夢描は、天龍様の絵の至る所をみて


覚えた。


「こんなにも素敵な絵が」

「多くの人目に止まらないの?」


夢描の素直な思いがあった。


もしかしたら、今でもこの天龍様は、


美しい容姿の中で冷たい心が蠢いているのかもしれない。


王女なのにも関わらず魔法が使えず

おまけに、体も弱い。


自分とはなんのために産まれてきたのか考える夜があったかもしれない。


「それは、きっと死ぬより辛いことだよ」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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