90話 新たな伝説と遊んでみる
シンは目の前の机に置かれている物と
説明している人に若干だが引いていた
「だからね!ココがこうなって!こうなったら、そうなるから、わかる?見ててよ!ほら!こうなってるのが、こうなったでしょ?でもね、さっきとは違う動きをしているの!わかって欲しいんだけど、ちょっとわかりづらいかったかぁ〜、もう1回やってみるから見ててね!駄目!コッチに注目してたら、わかりやすいから、アッチから見るの!ズルは駄目よ!」
1時間くらいは
こんな感じで説明してくる女性
ポーの母親が説明しているのは
蛇と蠍と蜂のプラモデルとフィギュア
合計6体だった
ポーの母親の横にいる恰幅の良い男性
ポーの父親
とポーが母親を何度も止めていたが
「ダーリンとポーだって褒めてたじゃない!
こうやって教えてあげないとわからないわよ」
そう何回も言われたので
ポーの父親とポーは諦めた様に
後ろの方で体育館の壁面に
並べられていた出展品の投票ランキング
上位に入った品を見ていた
「スゴイと思いま」
「でしょ!ダーリンとポーの目に狂いは無いのよ!もちろん!シンちゃんもよ!でもね!もっともぉっと!スゴイんだから!それを今から教えてあげる!絶対に気にいると思うわ!」
「いや、もうちょっ」
「ココよね?ココが見たいのよね!わかったわ!今から見せてあげる!でもね、ココは最後に取っておいた方がいいわよ!な・ぜ・な・ら!喋るからなのよ!って!言っちゃった!もう!ネタバレ禁止なのに!なんで、言わせるのよ!シンちゃんったら、上手なんだから!」
「そうですねぇ」
シンはポーの父親の方を見ると
無言で頭を下げて謝っているし
ポーの方を見ると
楽しそうだから、付き合ってあげてと
口パクで伝えてきた
「あっ‥」
「なになに?気付いた?気付いちゃった?そうなのよ!蜂光ちゃんのココにッ!いったぁ!何すんのよ!お母さん!」
「早く片付けな!
終わってないのはココだけだよ!」
ポーの母親の後ろから
近づいて来たポーの祖母は
持っていた竹刀でポーの母親の頭を叩くと
周りを見渡す様に促す
「いいじゃないの!お母さん!今が1番良い所なんだから!邪魔しないでよ!
‥‥ハイハイ、わかりました
片付けます!片付けますよ〜だ!
ホントにッ!イタッ!イタイって!
片付けるから!ヤダ!やめてってば!」
ウダウダ言っているポーの母親を
もう3回程、無言で叩いてポーの祖母は
片付けを催促する
「付き合ってくれてありがとう
妻も嬉しかったんだろう
シンちゃんと会うのを楽しみにしていたから」
「いえ、そんな事はないです」
ポーの母親が話始める前に
挨拶を済ましていたポーの父親が
シンに話しかけてきた
見た目がクマみたいな人だなぁと思いながら
シンは目の前に置いてある
プラモデルやフィギュアを見る
「コレって動くんですか?」
「ああ‥‥台座の端に触れてごらん」
ポーの父親は少し考えた後に
シンに台座の端へ触れる様に言う
言われた通りの場所にシンが
蜂光ちゃんのフィギュアの台座に触れると
蜂光ちゃんが素早く動いて喋る
〔アンタもなかなかやるようになったね〕
そう言うと
隣にあった蛇と蠍のフィギュアが
横にコテンと倒れた
「スゴイだろう
妻が連動して動くようにしたんだよね」
「表彰台の時の動きだし」
「義母の動きを‥‥よく見えていたね」
「そりゃあ、結構叩かれましたから」
シンとポーの父親は笑い合う
その後ろではポーの母親が
まだ隠しコマンドがッ!と言って
ポーの祖母に竹刀で叩かれてた
「コッチは?」
シンの後ろからルカ、エル、ヒルが
それぞれのぬいぐるみを抱きしめながら
シンに聞いてくる
シンは3体のぬいぐるみを見て
う〜んと悩み出す
「なんかデカくない?」
ルカが持っているのは
第2位のデストロイヤー蛇蠍ちゃん
片方のハサミには可愛いブリのぬいぐるみ
もう片方には可愛い鯛のぬいぐるみを
挟んで誇らしげに持ち上げ
可愛いブリには尻尾の毒針を刺し
蠍の尻尾に巻き付いた凶悪な目付きの蛇が
可愛い鯛に齧り付いている
エルが持っているのは
第3位の涙が出ちゃう蛇蠍ちゃん
蠍ちゃんの頭にはタンコブが2つあって
尻尾に巻き付いた蛇ちゃんが
涙を流している蠍ちゃんを心配そうに見ていた
ヒルが持っているのは
第5位のやったね!蜂光ちゃん!
目がバツになってダラーンとしている
蠍ちゃんと蛇ちゃんの上に乗って
2枚の丸めた賞状を誇らしげに
蜂光ちゃんが両手で掲げている
3体とも抱きかかえる程に大きいので
シンが半眼で見ていると
シャー!ピー!と鳴きながら
蛇達とマンジュが第4位のぬいぐるみに
巻き付いていた
4位になったのは
蛇だ!蠍だ!いや‥‥蛇蠍ちゃんだ!
蠍ちゃんの胴体に巻き付いた蛇ちゃんが
蠍ちゃんの尻尾に並んでカマ首をあげており
両方のハサミは蛇の顔になっていた
「なんていうか‥‥
蠍ちゃんが乗っ取られてるの」
「まぁええやんか
コレはコレで味があるやん」
「そうやって!
ホラ!マンジュも気に入っとるしな」
ヒルがうわ〜っといった感じで見てると
ソナとトウカがフォローを入れる
マンジュはぬいぐるみの上で
ご機嫌そうにウネウネと動いていた
「それにしても
蛇蠍の展示品ランキングなのに」
「何?蜂光ちゃんの
存在がブンブンとしてる」
「あれはもうブンブンって言うより」
ポーと話してたシンがそこまで言うと
タイミングよく周りが静かになったので
その後の言葉が、よく響いてしまった
「蜂光ちゃんの伝説級ブォンブォンよね」
やたらと響いた言葉に
ポーの母親が爆笑して
お母さんがブォンブォンうるさいって!と
遺言を残してポーの祖母に黙らされていた
「で?誰が?伝説級に?
ブンブンを通り越して?
ブォンブォンとウルサイって?」
「そんな事言ってないでしょうが!ねぇ!」
シンはポーの祖母に反論しながら
周りを見ると
ポーの父親は、マジか‥‥と驚いていて
残りはシンから少し離れていた
蛇達はシンの髪に潜り込み
シャー!シャー!と鳴いて
やったんで!この流れでいったるわ!とか
マンジュはピー!ピー!と鳴いて
やれる!やってやる!と
ポーの祖母を威嚇している
シンは焦りながら
なんで決めなきゃならないのか
まるでわからない覚悟を決める
「今日で蜂光伝説は終わりよ!」
「蛇蠍の完全体かい!容赦はしないよ!」
開法学院の文化祭で後夜祭が開かれたと
後に噂が広がった
噂の元は上げられた1本の動画だった
とある体育館から飛び出した
頭に複数の蛇を宿し
蠍の尻尾を生やした種族の子が
体育館からゆっくりと歩きながら出てくる
竹刀を2本持った蜂族の大人に勝負を挑む
周りにいた大人たちや学生達は
歓声を上げたり、手を叩きながら
その無謀な挑戦を見守っていたという
時系列順に
証言①蜂族の学生
合体して完全体になった超蛇蠍ちゃんと
最近ずっと鍛えているおばあちゃ‥‥
蜂光ちゃんの闘いがあって‥‥
イッタァ‥‥ばあちゃんってばマジだったし
証言②蛇族?の学生?
真っ直ぐと見せかけてな
蛇行しながら突っ込みよった蛇蠍ちゃんと
歩くみたいな動きから
一気に加速しよった蜂光ちゃんが
すれ違った後に‥‥アレはないで
その後もホンマにシャレにならんって
ばあちゃんにまで挑みよるし
証言③有翼族の年配男性
蜂光が持っている2本の竹刀に
まるで干されてるみたいによ
蛇達が‥‥大小合わせて9匹か
ダラーンとなってるわけよ
不覚にも見えんかったぜ
証言④鯱族の特別指導顧問
それでも蛇蠍ちゃんは熱かったぜ!
たとえ武器が無くなろうとも!
相手が悪かろうともな!
自分の持てる全てでよ!
再度襲いかかったんだぜ!よくやるわ!
いや!でもよ!相手は選んだ方がいいぜ!
証言⑤やっておいて治療している保健医
蜂光ちゃんが
まるで血を振り払う様に竹刀を振って
蛇達を地面に転がしてから
蜂光ちゃんが蛇蠍ちゃんを討ち取ったのよ
その後は仇討ちとして
友達が襲いかかったんだけども
綺麗に返り討ちにされてたのよね
まぁ‥‥私も参戦したんやけど
蛇蠍ちゃんが立ち上がって
震える蛇達を掴んで、無理矢理合体して
私にまで挑んできよったんは
ホンマに楽しかったし、嬉しかったわぁ
挑まれるなんて‥‥ホンマにいつぶりやろか
血湧き肉躍るって‥‥あるんやねホンマに
動画のタイトルは『あの伝説は今』
証言の後に流れる映像は
まるで不良が先生に襲いかかる様な作りに
なっている動画だったが
先生2人が完全に手慣れた動きで
襲いかかってくる生徒を次々と無力化していく
コメント欄には
マジで勇気あるなぁ
あの年齢で若者相手に
いや!CM!作りが!
学生達も絶対に普通じゃない
強さの熟練度と次元が違う
名前!盛りすぎ!
いつまでも若々しい
最後に宣伝してる所はマジで神
と色々な世代からの書き込みがあった
動画の間には
蜂の巣作りと通信会社の合作CMが流れ
人気投票1位を獲得した
プラモデルとフィギュアが
加工されたCGで合体していく
合体し終わった
『超蛇蠍神合体ダッカツ』と
『超弩級蜂光影ホウコウ』が
カッコよく通信会社の宣伝をしていた
オマケ:蛇蠍ちゃん感想
ピィー!ピッ!ピ!
シャー!シャ!シャア!
わかったわよ!和菓子があるから!
コレで許してってば!えっ?どこの?
えっと‥‥群狼堂って
ホラ!いつも食べてる美味しいヤツ!
マジで美味しいよねココ
‥‥ん〜‥‥うん、楽しかったよ
しばらくは遠慮したいけど‥‥あっ‥イチゴだ
お餅の中にイチゴが‥‥えっ?ごめん!って
とっておいたヤツとか知んないし!
もう!知らない!コレは私が食べてるから!
アッチのにしなさいよ!齧りつくなっての!
そんな動画が再生数を稼いでいた




