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84話 製造に至る過程

それは始まってしまった

恐れていた事だとは思っていた

絶対にソッチ側にはいかない

楽しく笑っていたかった


身内の対応をして、そういう姿を見て

経験して苦しんだ過去もある

今は楽しく笑ってられる程になってる

それで良かったと

だから絶対に自分はならないと思っていたのに



「行くのってさ

何気に初めてじゃないかしら?」


ウイが先頭になって歩きながら

そんな事を言ってくる


「そうだよね

アタシも部活とかでは付き合い長いけど

行くのは初めて」

「小学からの付き合いだけどさぁ

そこまで仲良くなかったってイメージかなぁ」

「私達もなの」

「同じクラスだったけど

全然話さなかったの」

「私も」


アヤノが思い出しながら言うと

カヤ、エル、ヒル、ルカも続けて言った


「まぁ、ウチらは接点なかったからやけど」

「アンタ達が無いって言うのはなぁ

アンタはどうなん?先輩やねんやろ」

「そうは言っても

マトモに喋ったのはシンが来てからですわね」

「よくそんなんで4連覇とか出来てわね」


ソナ、トウカがリンの方を向いて話すと

リンは肩をすくめながら答えた

その様子をシンが半眼で呆れて言った


「私は部活も違ってたしね

リンとは何回か遊んだ事はあるけど」

「あの時のアナタと今では別人ですわね」

「それはお互い様かなぁ

お高くとまってだけど、今じゃ‥チョロ‥‥

何?やめてよ!」

「それはお互い様‥‥アンタらも」


ポーが言いかけた言葉を静止するように

リンがポーに抱きついて

ソナとトウカを指差す


「シン!走ろうよ!ね?ね!」

「暑いのに走るわけが‥‥暑い!くっつな!」


アイスの棒を咥えたクナが

シンに抱きつきながら走ろうとする

身長差があるために

姉のクナが妹のシンを抱きしめているように

見えてしまう


「さ!着いたわよ

今日は家政婦さんもいないって

先生から鍵を預かってるから行くわよ」


ウイが暗証番号を打ち込むと

大きな門を開いたのでゾロゾロと入って行く

結構前から壁伝いに歩いていたので

大きさ自体はわかっていたが

門から見ると少し遠いが

家の大きさがよくわかったので

シンが思わず呟いた


「デッカいウチよね

サリってば、いい所のお嬢様だったんだ」

「そりゃあそうよ

エルフ族の中でも結構有名じゃなかったっけ」

「だったと思いますけど

実際にどう有名かは知りませんわね」

「悪い事で有名やったらオモロいな」

「学園長と教頭がそんなんやったら

ウチらは末端の戦闘員になってまうで」

「幹部目指して頑張るの」

「末端は嫌なの」

「シンがリーダー」


そんな事を言いながら歩いていると

急にシンは歩く速度を遅くする


「もう遅いと思うよ‥‥シン」


シンは後ろから軽く抱きついている

クナが言った言葉に絶望の表情で周りを見る


「サリの体調が悪いって

お見舞いに行こうって言うのは‥‥

流石に嘘じゃないよね」


シンの問いに誰も答えず

ウイがドアを開ける瞬間に

ルカが興奮気味にシンを抱きしめる


「シン!これは必要な事で!

とっても!とぉっても!大事な事なの!」

「はなせ!はなして!

は?‥‥は?‥‥なんでいんのよ!」

「「お帰りなさいませ!ご主人様!」」


開けられたドアの向こうには

白と黒でゴスロリのロングスカートメイド服姿

満面の笑みで歪んだ狩人のオーラを放つ

シンの姉達であるサキとアキがいた


「いやぁ〜罠に引っ掛かってくれて

私達は嬉しいよ」

「単純なのは可愛いから良いけど

お姉ちゃん達は心配だわぁ〜」

「ふざけないでよ!帰る!絶対に帰る!

は!な!せ!はなして!

コイツらが関わると

絶対に変な事になんのよ!」


ルカとクナがシンを抱いて

持ち上げたままで家に入った所で解放する

ルカ、トウカ、ソナ、アヤノ、カヤは

サキ、アキと仲良くハイタッチをしていた


「なん‥‥初対面じゃないの?」

「え?ちょくちょく会ってるかな」

「小さい時のシンの話とかで

盛り上がってる事も‥‥あるかな」


エル、ヒル、ポー、クナ、ウイ、リンとは

旧友と再会したみたいに抱き合って

サキ、アキが答える


「ちなみにマンジュちゃんは

和菓子3個で買収されてました」

「1個で頷いたんだけど

可愛いから、ついつい3個あげちゃいました」


シンの髪からいつの間に出たのか

マンジュはアキの手に乗ってピィー♬と

満足そうに鳴いていた


「安すぎんのよ!

それに嘘ついたのね!帰るわ!」

「シン!嘘じゃないよ!

サリの体調が悪いのはホントだよ」

「なんでアキ、サキ姉が関係すんよの」

「それはね‥‥シンがお薬だから」


アヤノとの話で

頭にハテナを出しているシンは

ジリジリと間合いを詰めてくる全員から

距離を取るが、壁に追い込まれて囲まれる


「薬?私が?どういう事なの?」

「わかんないならいいよ」

「シン!私はなんとなくわかります!」


ポーとクナに言われるが

何かを反論する前にシンは捕獲され

家の奥へと運ばれて行く


「イヤ!イヤァァ!

クナがわかる事なんて

絶対に!絶対に碌な事じゃない!」

「シン!失礼なんだけど!

徹底的にやってやる!」


シンの叫びとクナの雄叫びを最後に

全員が密室へと消えていった


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