表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/32

対戦!

 そして、試合開始時刻がやってきた。


 この七階A競技室には、既に五十名を超えるギャラリーが集まっていた。

 正面スクリーンの反対側にある簡単な観覧席は、超満員になっていた。

 いきなり参加して、しかもシードされているオレは、かなり注目を集めているようだ。


 機械は既に設定されていたので、まだ照明を落としたままの競技室内の正面のスクリーンに、すぐにオレのアバターが立体的に映し出された。

 ほぼ同時に、小早川ケンのアバターもスクリーンに映し出された。


 そして、スクリーン上に大きく「ハヤタVSケン」という文字が浮かび上がると、その下に開始までのカウントダウンを表す数字「60」が表示され、その数字が「59,58…」と一秒刻みで減っていった。


 そして、その数字が「0」になると同時に、「FIGHT!」という文字が映し出されて競技室内の照明が明るくなり、オレと小早川ケンの試合が始まった。



 小早川ケンは、開始と同時に棒を使い始めた。

 おそらくは、オレと綾瀬ミカとのこの前の試合の動画を研究して、ミカと同等以上の体術を操るオレと体術でやりやうことは避けたのであろう。


 そして、経験の浅いオレに対し、得意の棒術を使って、一気に勝負をつけに来たことは容易に想像することができた。


 ケンは、開始と同時にオレの身体をめがけて、猛然と棒を突き出してきた。

 オレは、これを必要最小限の動きでかわすと、棒を出し、ケンの足元をめがけて棒を振り回した。


 ケンは、これを余裕でかわすと、スキルを使って一気にスピードをアップし、オレの顔面をめがけて、棒を凄い速さで何回も突いてきた。

 オレは、これを後方へのバク宙でかわす。


 ケンは、オレがバク宙から着地するのを見計らって、両足を棒で払ってきた。

 オレは、これをかろうじて棒で受け、なんとか両足を払われずに済ませた。



 ケンは、その後も巧みな棒術で、何度もオレを責め立ててきた。

 オレは、防戦一方になったが、持ち前の速い動きと次第に使い慣れてきた棒を駆使して、ケンの攻撃を全てかわし続け、HPを全く奪われていなかった。


 ケンは、攻めあぐねて焦ったのか、スピードを上げるスキルをむやみに使い続けた。

 そのため、試合開始から、まだそれほど時間の経たないうちに、ケンは、スキルゲージを全て使い切ってしまった。

 逆に、オレは、スピードを上げるスキルなどは全く使っていなかったので、まだスキルゲージが半分以上残っていた。


 オレは、棒を使えなくなったケンに対して、一気に勝負に出た。


 もはや棒は必要なかったので、手から棒を消し、肉弾戦に持ち込こむと、高速移動と打撃力強化を同時に使い、ケンの頭部をめがけて、右足での回し蹴りと左足での後方回し蹴りの連続攻撃という大技を仕掛けた。

 これは、綾瀬ミカとの試合で、最後にミカがオレに仕掛けてきた大技だ。オレは、一度見ただけで、この技を完全に習得していた。


 ケンは、なんとかオレの右足での回し蹴りを後方にのけ反って避けたものの、左足での後方回し蹴りまでは避けることができず、これをまともに左顔面に受けた。


 スクリーン中のケンのアバターが、右後方に吹っ飛び、そして倒れた。

 オレは打撃力強化のスキルも使っていたので、このヒットした蹴りの衝撃は強く、ケンのHPゲージは一気にゼロになった。


 その瞬間、スクリーンに大きく「ハヤタ VICTORY!」の文字が映し出され、一瞬静まった観覧席から、大歓声と拍手が鳴り響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ