第12話 魔族ミオ
スライムに案内され、ミオは魔王領の森の奥を進んでいった。やがて木々が途切れ、黒い石で造られた巨大な城が姿を現す。高い塔が空へ突き出し、門の前には魔物たちが行き交っている。
スライムはぴょんぴょん跳ねながら先へ進み、ミオもその後ろを歩いて城門をくぐった。
長い廊下の先に大きな扉がある。スライムが止まり「ここだよ、魔王様いるよ」と言うと、扉がゆっくりと開いた。
広い玉座の間だった。
赤い絨毯が中央に伸び、その奥の壇上に黒い玉座が置かれている。
玉座には黒い鎧と長いマントをまとった魔王が座っていた。角飾りの兜をかぶり、腕を組んでこちらを見下ろしている姿は、まさに魔王という見た目だった。
ミオが広間の中央まで歩く。
その瞬間、魔王が突然立ち上がった。
そして身を乗り出して言った。
「見てたよ!なにあれ???なんであんな正確に石投げられるの?ウルフめっちゃ素早いんだよ???素手でカウンター入れるって何???」
魔王は玉座の前を歩き回りながら続けた。
「そしてあの雷みたいな魔法!あれ何?三色のどれでもないよね?決めた!君はこの魔界にふさわしい魔物だ!」
魔王が指を鳴らす。
パチン。
その瞬間、ミオの背中に黒い羽根が現れた。
羽根がゆっくり動き、ミオの体が少しだけ宙に浮く。
ミオは羽を動かしてみて言った。
「飛べる」
魔王は腕を組んでうなずく。
「人間が魔物になるとね、男はオーク、女はサキュバスになるのさ」
そのとき玉座の間の扉が次々と開き、さまざまな魔族が入ってきた。
オーク、ゴブリン、インプ、スライムたちがミオを取り囲む。
「ようこそ魔王領へ!」
「新入りだ!」
「歓迎するぜ!」
「これから楽しいよ!」
ミオは周囲を見回して質問した。
「なんで魔族のみんなは魔王に仕えるの?」
スライムが跳ねながら答える。
「それは魔王様といると楽しいからさ!」
ミオが「楽しいから?」と言うと、近くにいた大柄なオークが腕を組んで言った。
「俺たちの寿命は軽く千年を超えるんだ。長すぎると何もしない時間が退屈で仕方ない」
そのときミオの視界にシステム表示が現れた。
設定更新。
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マスター:魔王
ミッション:未定
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ミオは魔王の方を向き、羽をゆっくりたたんで姿勢を整えた。
魔王はそれを見て満足そうにうなずき、言った。
「よし、これから面白くなりそうだ」
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