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09

メリークリスマス^_^

 



 -翌日-


 ベルホルトは正装に着替えて魔力測定検査を行うルーレンス侯爵邸に向かう準備をする。


 母のアンネリースには休んでいたらどうか?と聞いたが息子の晴れ舞台だから必ず行くわと言われた為に大人しく引き下がった。



 ■■■



 そろそろ時間が来たので馬車に乗り込みルーレンス侯爵邸へと向かう。


 ガタゴトと進む馬車の窓から買い物客で賑わう通りを眺める。




 暫くすると侯爵邸に辿り着いた。


 他にも馬車が多数あり中から貴族が降りてくる。


 ベルホルト達も門を潜り馬車置き場に馬車を置くとルーレンス侯爵邸の使用人が駆け寄り「ようこそルーレンス侯爵邸へ、オルトランド伯爵夫人にそのご子息、ご息女さま」と深く頭を下げる。



 そして顔を上げると「どうぞこちらです」と屋敷へと案内をする。



 屋敷の中の会場へと案内された。


 会場は豪華絢爛であり用意された料理なども最高級品を取り揃えている。


 流石は侯爵家と言ったところか。


 それに用意されている料理はこの街の特色でもある海産物が豊富に取り揃えてある。


 なので海に面していない領地の貴族達には堪らないだろう。


 かくいうベルホルトもとても楽しみにしている。




 ■■■


 ベルホルト達がルーレンス侯爵邸で行われる魔力測定検査の為にルーレンス侯爵邸に向かっている頃。

 一方の父ディルク・ケルス・フォン・オルトランド伯爵事ディルクは自身の執務室で息子のベルホルトの晴れ舞台に参加出来ずイライラしていた。


 周りの部下もその空気を鋭敏に感じ取り距離を置いていた。



 ドアがノックされ兵士が「失礼します」と入室して来た。


「何だ?」

 ディルクの低い威圧感に満ちた声に入って来た兵士はブルリと震えたがすぐに気を取り直して要件を告げる。


「ハッ!オルトランド中将閣下の家の者が取り急ぎ至急お知らせしたい事があるとのことですが、如何致しましょう?」


 ディルクは少し考えてから言葉を発した。


「通せ」


「ハッ!了解しました」


 兵士が執務室から出て暫く経つと確かに自身の家に仕えている使用人であった。


 何か緊急事態でも領地で起きたのかーーと危惧して待っていたが入って来た使用人の顔には笑みが浮かんでいた。


 怪訝に思いつつも何故来たのか理由を聞かねば解らぬだろうと使用人に聞いた。


「どうした?」


 使用人は笑顔で「おめでとうございます。旦那様!」と告げて来た。


 意味がわからず思わず「お前の頭は大丈夫か?」と聞きそうになる前に使用人が口を開いた。


「奥様が御懐妊致しました!」


 一瞬何を言っているのかわからず呆けていると次第に懐妊と言う言葉の意味を理解し出して数秒後椅子から思わず立ち上がっていた。


「ま、まことか!それは⁉︎」

 大声で聞き返した。


「はい!間違いなく奥様は御懐妊なさったとこちらの手紙に書いてございました」


 使用人から差し出さた封筒を受け取り捺印を確認すると確かにオルトランド伯爵家の紋章が押されていた。


 封筒の中から手紙を取り出して目を通すと確かに妻のアンネリースが懐妊したと書いてあった。


 その事にディルクは喜び今すぐに妻の元へと駆け出していきそうになっているのを部下が止める。


「中将!嬉しいのはわかりますけど今はゴブリン共の問題があります!」


 と補佐官の1人が立ち上がり引きとどめる。


 それにディルクは歯軋りして腕を組み暫く考え込んでからニィと口角を吊り上げた。


 部下達は悪い予感をしながらも代表して秘書官の部下が聞いた。


「あの中将…何か思いついたのですか?」


 それにディルクは笑って答えた。


「ああ、名案を思いついたよ。何ゴブリン共を駆逐するのに部隊が森へと入れば問題になる。そうだな?」


 これに対して部下はすぐさま返答する。


「はい。その通りです。森の中ですので国境線が曖昧な為に間違って超えてしまうと領土侵攻と捉えられて開戦の理由を与えてしまいますので部隊の派遣は容易ではないかと。仮に部隊を送るとしても少数になりとても千を超えるゴブリン相手では分が悪すぎます」


 それに対してディルクはそうだなと同意を示すかのように頷く。


「ああ、だがその少数部隊が精鋭揃いなら問題ない。そしてその部隊は直接私が指揮をする!」と高らかに宣言した。


 これに対して部下はやっぱりかと皆が内心で思った。


 普段は冷静沈着で頼れる上官だがこと家族が絡むと途端に猪突猛進になる傾向がある。



「ま、待ってください中将!貴方の実力は知ってはいますがそんな事上が許可するとは思えません!」


 部下が必死に宥めるが聞く耳を持たず。


「ええい!五月蝿いとにかく私は一刻も早くリースの元へ駆けつけねばならぬ!もし上が許可しないのならば私1人でゴブリン千匹など蹴散らしてくれる!」


 と今にも飛び出していきそうな勢いだ。


 兎に角一旦落ち着かせディルクの提案を王都へと伝令が駆け出して行った。





 ■■■


 ☆カルロ・バーム・フォン・アンブロス公爵


 カルロが居間で寛いでいると執事がやって来て「旦那様。アンネリースお嬢様の執事よりお手紙が届いています。


 カルロは最近実務の大半を息子へと任せていた為に比較的暇な時間が増えたのでこうして居間で寛ぐ事が多くなっていた。



「そうか、ご苦労」


 執事から手紙を受け取り開き中を確認すると「フォォー!!」と目を見開き奇声を上げた。


 これには長年公爵家に仕えていた執事も驚き目を見開いてカルロを凝視する。


 すぐに奇声を聞きつけて妻のヴェロニカ・イゾーリダ・フォン・アンブロス公爵夫人と長男の息子のタリソン・ブレット・フォン・アンブロスとお付きの者達が駆けつけて来た。


 次男の方は近衛騎士なので王城勤の為にこの場には居ない。


「貴方どうしたの?そんなみっともない奇声を上げて?」

 ヴェロニカが額に青筋を立てて聞いて来た。


 息子のタリソンはその様子を静かに見守る。


 下手に口を開くと自分にも火の粉が来るのを経験から知っているからだ。


「おお!ヴェロニカにタリソンよ!これを喜ばずに何を喜べと申すのか!」

 とカルロは有頂天だった。


「父上その喜ぶ出来事とは?」


 とタリソンは恐る恐る聞いた。


「うむ、何とリースが懐妊したと報せが来たのだ。ほら」


 そう言って差し出して来た手紙にはアンネリースが懐妊したと書いてあった。


 これにはヴェロニカとタリソンは喜びヴェロニカは「早速御祝いの品を用意しなくちゃいけないわね。カルロ買い物に行くわよ♪」と言い出した。


 それにカルロも頷き「そうだな。早速行くか」と同意した。


 タリソンも行こうかと言う前にカルロが「お前は残って事務仕事を片付けてから来なさい」と言われた為に執務室に駆け込み普段の倍のスピードで処理して行く。


 実はタリソンも大のシスコンでありアンネリースの事を好きになったりした貴族の子息達を学園時代は牽制していた。


 ちなみに次男もタリソン程ではないがシスコンだ。




 こうして公爵家は慌ただしく御祝いの品の用意をし始めた。



 ■■■


 ☆アンドリュー・ロペラ・フォン・エーミル男爵☆


 アンドリューは自身の騎士団と一緒に鍛錬をしていると屋敷から執事が一通の手紙を持ちこちらにやって来るのを見て手を休めた。


「旦那様。鍛錬の最中お邪魔して申し訳御座いません」

 と執事は頭を下げる。


 それにアンドリューは構わないと言い「どうしたのだ?」と聞いた。


「はい。アンネリース様の執事殿からお手紙が届いています」


「そうか、わかった」


 執事から手紙を受け取り開くと中にはアンネリースが懐妊したと書いてあった。


 アンドリューは目を見開き固まった。


 執事はそんな主人の様子を怪訝に思い声をかけた。


「……あの旦那様?…如何なさいましたか?」


 それにはアンドリューは答えず屋敷へと駆け出して行った。


 その場に残された執事と騎士達はどうしたものか…と他の者達と顔を見合わせる。


 執事は遅ればせながらハッと我に帰りアンドリューを追いかけて屋敷へと駆け出して行く。



 屋敷へと戻って来たアンドリューは「出掛けるぞ!馬車の用意を!」と大声で使用人に命じた。


 偶々その場に居合わせた次男のライル・ノート・フォン・エーミルは「どうしたのですか父上?そんなに大声を出して?」


 ライルが不思議そうに聞いて来た。


 それに答えるよりも早く妻のエミリー・ルーン・フォン・エーミル男爵夫人が般若の様な顔をしてやって来た。


 それには流石のアンドリューも顔を蒼褪めさせて直立不動の姿勢を維持する。


「あ・な・た?どうしましたの?そんなに大声をお出しになって?」

 言葉遣いは柔らかく丁寧だが底冷えする只ならぬ空気を纏っていた。


 アンドリューは手の中の手紙をエミリーに見せて「アンネリース嬢が懐妊したそうだ」と声を絞り出して言った。


 それにはエミリーも驚き手紙を読み般若の様な顔は何時もの優しい柔和な顔に戻り雰囲気も明るくなった。


 これには固まっていたライルもホッと安堵の息を吐いた。


 気を取り直してアンドリューが妻に問いかける。


「では、早速新たな子供の服を買いに行こうか!」と言い回れ右して屋敷から出ようとするアンドリューへエミリーは持っていた鉄扇でバコン!と音が鳴るぐらいアンドリューの頭を叩いた。


 叩かれたアンドリューはクラクラとしながらも振り返り「エミリー何をするんだい?」と恐る恐る問いかけた。


「貴方。まだ産まれてもいないのに服は気が早すぎます。それよりもまずはリースさんに懐妊祝いを贈るべきですよ」と言われてアンドリューもハッ!としてエミリーに謝り今度は一緒に祝い品を見繕いに行こうかと言った。


「ええ、そうしましょうか。ライル貴方も付いて来なさいね」


「は、はい!」

 とライルも返事をした。


「あの子は残念ですけど今は領地の運営に大忙しですからね」


 あの子とはエーミル男爵家の長男の事だ。


 アンドリューも最近は実務の大半を長男の息子に任せているのでこちらも比較的暇になっているので最近は自身の騎士団と鍛錬に明け暮れている。



 そしてアンドリュー、エミリー、ライルの三人は用意された馬車に乗って街へと繰り出して行く。



 ■■■


 一方そんな騒動が巻き起こっているとは露知らぬベルホルトは海産物をふんだんに使った料理を堪能していた。



 暫くすると壇上にルーレンス侯爵が上がり「皆様。本日はようこそ御出で下さりました。ではこれより魔力測定検査を行いたいと思いますので五歳になる皆様は壇上の方へとどうぞ」


 侯爵の後ろから魔力測定器を持った使用人が来て壇上に置いてある台の上へと載せる。



 ベルホルトも食事の手を止めて壇上へと向かう。


 後ろからは母のアンネリースと姉のクレアとグレースそれに妹のニーナも頑張ってと応援してくれる。


 ベルホルトは壇上の魔力測定器を見つめ今度は手を見てちゃんと封印が出来ているか確認して確認が出来たので壇上へと向かう。











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