意外な贈り物
25話です
「……終わったのか?」
全身の力が抜け、俺はその場に座り込む。だがすぐにフラムの事を思い出し、フラムの元へと駆け寄った。
「おい! フラム! やったぞ……フラム?」
フラムは何の反応も示さなかった。フラムの体はとても冷たく冷えきっていた。 嫌な予感がする。フラムの胸に手を置くと、
心臓は鼓動する事を止めていた。
「嘘だろ! フラム‼︎」
「どけ」
シヴァは俺の肩に手を置くと、強引に俺を引き剥がす。シヴァはフラムの胸に触れる。
「《奇跡》」
フラムの体から光の粒が溢れ出す。そして、光の粒が出なくなったかと思うと、フラムの体がどくんと跳ねた。同時にフラムはうっすらと目を開ける。
「あれ? ここは……」
「フラム‼︎」
俺はフラムに抱きつく。 フラムは驚いたようで
「ち、ちょっと痛いよ⁉︎ 何があったの⁉︎」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「へぇ、僕死んでたんだ……」
フラムは自分の首元を触る。 跡はついていなかったが、それでも、感覚は少し残っているらしい。
「シヴァ、何も殺すことはなかったんじゃないか⁉︎」
俺はシヴァに詰め寄る
「お前を気づかせるためだ。 しかも我は破壊と創造の神、人を生き返らせることなど容易い。」
「まあまあ祐介……無事終わったんだから。」
そういって俺をなだめる。
「お前が一番ひどい目になってるんだけどな……、まぁフラムがいいならいいか。」
「ところでシヴァ様、あなたの力は私たちに貸してくれるのですか?」
あ、そうだった。 完全に忘れてた。
「無理だ。」
何か嫌な言葉が聞こえた気が
「我は神だ。 この空間だから実体を保てるのであってお前らの世界に行くとなると、実体を保てなくなるだろう。それこそ神を捨てない限りはな。」
あーあ またこの展開だ、 茶飲ますぞ、このインチキ野郎
「あの茶は遠慮願いたいな。」
やべ、心読まれてた。
「まぁ話は最後まで聞け。 何もしないというわけではない。……そうだな、祐介とやらこっちへ来い。」
そう言われて俺はシヴァの元へと行く。
シヴァは俺の頭に手を置くと、
「ふむ、かなりの難関を、乗り越えてここまで来たようだな…。 選ばれたものとはいえ、よくここまで来たものだ。 いいだろう、我の破壊と創造の力、お前にくれてやろう。」
「何かさらっとすごいこと言わなかった?」
シヴァは手に力を入れたと思うと、すぐに手を離す。
「あれ? もう終わったの? 見た所あんま変わってないんだけど」
「当たり前だ。 神の力がそんなにたやすく使われてたまるか。 まだお前には扱いきれないだろうが、成長していく中でやがて扱えるようになるだろう。」
「でもこれだけだとなぁ……。なんだか割に合わないというか。」
「ちょっと祐介‼︎ 怒られちゃうよ‼︎」
「いいだろう、ならばもう一つ、お前たちの冒険の手助けしてやろう。」
「それは今くれないのか?」
「帰ってしばらくしたらいずれ分かる事になる」
シヴァはそう言うと俺たちにさっさと帰れと言ってきた。
「ありがとうございました! ほら、祐介も!」
「ありがとう、シヴァ」
「お前はまず敬語を使うことを覚えろ」
俺とフラムは証に向かって念じる。次第に証から光が漏れ、俺たちを包み込んだ。
やっと一仕事終えたか…。 今回の人間、特にあのフラムという奴。一体どれほどの力を隠している?
思わず殺してしまう程に…奴の力は底知れない。
まだまだ人間も捨てたもんじゃないということか。
後はあの祐介とやらが、どこまで我が力を扱えるようになるかだな。
シヴァは元いた場所に引き返し次に来るものを待ち続ける……
26話で会いましょう




