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僕と茶道と異世界と  作者: 茶柱 タツロウ
試練編
24/27

曲げられないもの

24話です

シヴァに斬りかかる。が、シヴァは難なくいなす。俺は転がりそうになりながらもなんとか持ちこたえた。

強い。強さのレベルが違う。……それでも


「うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」


諦めるわけにはいかない。みんなを助けるために、元の世界に帰るためにも。


「お前を倒さなきゃいけないんだ、俺は‼︎」


俺の剣はシヴァの手によって止められる。


「なぜお前は戦う? 何のために? 何がお前をそこまで動かす?」


「俺は、勇者なんだ! 俺にしかできないことなんだ! 俺がやられたらこの世界は終わっちまうんだよ!」


シヴァは呆れたように話す


「お前の勇者像はそんなものか。我にとって勇者とは仲間のために戦う者だと思っていたのだがな。」


「……? 同じじゃないか! 俺の考えている勇者と!」


シヴァはフラムを指差す。


「勇者なら第一に仲間を助けるのではないのか? 苦しそうにしている仲間を放って戦うのは我にとって勇者とは程遠い!」


何かが、俺の心に打ち付けられていた気がした。 俺はみんなの為と思って戦っていたんじゃない。 自分の為に戦っていたんだ。


「ぐあっ‼︎」


シヴァに吹き飛ばされる。 偶然か、吹き飛ばされたすぐそばにフラムがいた。


「フラム‼︎」


フラムは返事をしない。 首には絞められた跡があった。 俺は自分の事しか考えていなかったから、こんな事になった。 フラムは戦うこと自体が苦手なのに、なのにこんな目に合わせてしまった。


「フラム‼︎ 返事しろよ‼︎」


フラムを揺さぶる、が依然としてフラムは返事をしない。


「くそっ! くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」


体の淵から熱いものが湧き上がってくる。 そうだ、この感覚。 このまま怒りに任せて仕舞おうか。 もう俺は、疲れた。







「…………⁉︎」


フラムが俺の手を握っていた。 意識がないのにもかかわらず、俺の、手を。


ーーあぁ、そうだ。 今度は違う。体の淵から温かいものが沸き上がってくる。 温かい。 まるで、




ーーーーーー茶のようにーーーーーー


「ありがとう、フラム。 ゆっくり休んでいてくれ。 すぐに終わらす。」


俺は立ち上がる。


「遅い、早く来い」


シヴァはちょいちょいと人差し指を動かす。


「もう以前の俺じゃない。 今の俺には何者にも曲げられない茶柱がある‼︎ 俺はもう、迷わない!」


俺は右手を上にかざす。


ティーリーフ


みるみるうちに茶柱が出来上がる。 大きさは一般の剣と同じくらいか。


「くらえ! シヴァ‼︎」


茶柱をシヴァに向かって投げつける。


「ふん、こんなも……⁉︎」


シヴァは言い終わる前に体を反らす。


「早い!」


その隙を見逃さない。 俺はシヴァの後ろに回り込み、一太刀浴びせた。


と、思ったが


「と、止められた……!」


シヴァの手刀によって、深緑の剣は折られる。


「……終わりだ。」


シヴァは思い切り振りかぶって俺を……


「と、言いたいところだが」


シヴァは顔を触る。微かに血が滲み出ていた。


「あの時の茶柱……か。……合格だ。」


俺たちとシヴァの戦いは終わりを迎えた


25話で会いましょう

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