不覚
22話です
俺たちの想像を超える何かが、そこに座っていた。
思わず唾をゴクリと飲み込む。
「……何者だ」
紅い髪に、神々しき鎧を身に纏うその威圧感は、常軌を逸していた。
俺とフラムは「それ」に近づく。
「あなたがシヴァ……ですか?」
フラムが恐る恐る聞く。無理もないだろう。俺だって立っているのがやっとなのだから。
「……いかにも、我がシヴァである。人の子らよ、何のようだ?」
「今私たちの世界は闇に覆われています。その元凶を倒すためにもあなたに力を貸して欲しいのです。」
シヴァはフラムを睨みつける。
「ほぉ……人の子らは、神に頼みごとをする時に何かすることがあるのではないか?」
「そういうと思いまして、」
俺はさっき作ったお茶をシヴァに差し出す。
「これは、私の世界での飲み物です。きっとあなたの口にも合うと思います、どうぞ。」
合わないわけがない。神ってそういうの好きそうだし
「不思議な香りだ…」
「いかがです?」
シヴァはお茶を飲み終わると
「ふむ…悪くはないな。……だが」
シヴァの形相が険しくなる。気のせいか顔に汗が出ている気がする。なんだ? 何か地雷を踏んでしまったのか?
「我の好まぬ匂いがする。この神聖な場所に似つかわしくない匂いがな……!」
「あっ」
やべっ。長老に魔物は連れて行くなって言われたから、連れてこなかったけどお茶を作るためにマーティ産の水を使ったんだった。そりゃあまずいなぁ。あぁもうシヴァの顔がやばいよ。怒ってるよ。血管浮き出てるよ。
「ね、ねえ、祐介。大丈夫なの?」
「知らん」
「え!?」
シヴァの顔は一層険しくなる。怒りがほとばしっているようだ。
「我を愚弄しに来たのか? 人間よ」
やばい、どうにか機嫌を取らないと。
「いえ、そんなことはありません。神の味覚というものは私の想像を絶するものだったということなのでしょう。 まだまだ理解不足でした。」
「言いたいことはそれだけか…?」
あー、なんだかイライラしてきた。なんでもいいから早く力を貸してくれ。俺には時間がないんだ。あー!くそっ!
「力を貸してくれるんですか?くれないんですか?どっちですか?」
「ちょっと!? まずいよ祐介!」
もう遅い、言ってしまったものは仕方がない。
シヴァが立ち上がる。
「いい度胸だ、人間よ……いいだろう、我の体に一太刀でも傷をつけられたら、我の力を貸してやろう。死ぬかもしれんがな。」
「やるしかないみたいだ。フラム。」
フラムは首をブンブンと横に降る
「何やってんのさ!勝てっこないよ!」
「そんなの俺もわかってるさ。だからな、こういう時はーーーー抹茶の槍‼︎」
奇襲だ。それで一気にカタをつける、が。
「ぬるい、ぬる過ぎる。 その程度の力で我にたてつこうというのか。」
見事に人差し指と中指で止められる。
「やばいな、更に怒っちゃったよ。」
フラムは、顔を青くしている。 それとは対照にシヴァのパワーは増していく。
「はあっ‼︎」
周りの立方体が次々と爆発していく。強い風によって俺とフラムは吹き飛ばされる。
「すぐに止めをさしてやる。悪足掻きなんて馬鹿な真似はせず、大人しくやられることだな。」
強い、だけど。
悪足掻き?笑わせるな。俺は、俺たちはな!
「いつだって悪足掻きしかしてねーよ‼︎」
23話で会いましょう




