↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
13/18

第8-2話 居場所


「ただ問題は、あの扉に一人で辿り着くだけの実力があるかどうかなの」

「チームで協力して入るのはダメなのですね」

「そうすると実力以下でも図書館の叡智に触れる機会が増えちゃうでしょう。王侯貴族の中には大金を叩いて冒険者や有能者を護衛に付けることだって考えるし」

「あー、なるほど」


 実力に伴わない知識は危険だというのはよく分かる。さっそくアンジェとキャーしに相談してみよう。ちょっと希望が見えてきて嬉しくなった。


「それじゃあ、シンシア。貴女がどうやって扉まで辿り着くか見せてちょうだい」


 ヴィンセント先輩は本当に素敵な人だ。面倒見は良いし、私が困っていることがあると──ちょっと強引だけれど聞いて解決策を提案してくれる。


 ヴィンセント先輩の期待に応えなきゃ!

 白水蛇(ホワイト・スネイク)は目のない魔物で、敵を感知しているのか魔力と下で出す超音波だ。逆に鳥蜂(バード・ビー)は目が良くて動くものに敏感だ。


「……それなら、魔糸魔法(フィールム・マギカ)蜘蛛(アラネラ)の橋(ポンス)」

「まあ!」


 シュルシュルと白銀の糸が紡ぎ形を成す。

 自然に漂う魔素から、魔糸を紡ぐので私の魔力はほとんど減らない。蜘蛛の巣に似た紋様で構築した白銀色の蜘蛛(アラネラ)の橋(ポンス)を作り上げた。

 もちろん橋を起点に、橋の下と上空に魔糸を張り巡らせている。橋に近づいた瞬間、魔糸に切り裂かれる罠を仕掛けている。


 美しくはあるけれど静かで、やっぱり地味だわ。うん。

 そう思っていたけれどヴィンセント先輩は「すごい」と何度も褒めてくれた。


「すごいものを作ったわね。芸術的で静かかつ魔力の乱れもない。完璧だわ」

「ありがとうございます……」


 ヴィンセント先輩に褒められるたびに、嬉しくて口元がニヤけてしまう。単純だと呆れないといいけれど……。でもヴィンセント先輩に認めて貰えるのはすごく嬉しい。



「(あの一瞬でこれだけのものを作り上げるなんて……やっぱり辺境伯だけはこの国だけではなく、周辺諸国の実力者よりも頭一つ抜きん出ているわね)……シンシア、私は自分の力であとから行くから、先に図書館の中の入っていて」

「え。先輩の魔法を見たいのですが……?」

「うーん、私は力技だからまた今度ね」

「──っ!」


 さりげないウインクに心の中で悲鳴を上げた。

 きゃああああああ。か、かっこう良すぎる! ここぞとばかりに色気を飛ばすような仕草は反則だと思う!


 ここで魔法が途切れなかった胆力を誰か褒めてほしい。ヴィンセント先輩の色香に当てられつつ、蜘蛛(アラネラ)の橋(ポンス)を足早に歩く。心の中はヴィンセント先輩の笑顔とウインクでいっぱいだったのは言うまでもない。



 ***



「あ」


 扉の中に入った途端、唐突に図書館の中に転移する。

 ロビーはとても広くて、飴色の床に王城を彷彿とさせる絨毯があった。周囲を見渡そうとしたところで、ヴィンセント先輩の姿を見つける。


「ふう」

「(魔力量はそこまで減っていない?)先輩はどうやって入ったのですか?」

「ん?」


 見るからに怪我もないし、肩で息をついている様子もない。ただどんなやり方だったのか興味があった。ジロジロと見ていたせいか、ヴィンセント先輩はクスリと笑って答えた。

 その笑顔はやっぱり反則です。


「私にはシンシアのような細かな魔力操作や魔法はないから、貴女が扉を開けた瞬間、肉体強化して水面の上を全力で走っただけよ」

「はし……ぜんりょく」

「ついでに水蛇も出てきたから、斬り捨てておいたわ」

「(予想以上の力業!)見てみたかったな……」


 きっと稲妻よりも速かったのだろう。そんな姿を想像したら、ヴィンセント先輩の勇姿を見られなかったことに、ちょっと残念な気持ちになった。

 ポツリと呟いた言葉に、ヴィンセント先輩は口元が緩んだ。


「あら。じゃあ私の本気が見たいなら別の日にしましょう」

「いいのですか?」

「もちろん。お互いの実力を知るためにもいいと思うし……シンシアに良いところを見せられるでしょう」

「はう(途中から耳元で囁くのは、反則じゃないですかね!?)」


 まだ婚約破棄していないのにヴィンセント先輩にドキドキしている。うう、これじゃあレックスと同じになっちゃうわ。ヴィンセント先輩に惹かれる気持ちはレックスと婚約破棄するまでは封じておかないと。


「とりあえずアンジェとキャシーに図書館に入れるか相談してみます」

「そうね。でも無理して挑むのはダメよ。もし難しそうなら、私の特別教室を貸してあげるわ」

「え」


 特別教室。それは私とヴィンセント先輩が出会った場所だ。そこを貸してくれるということだろうか。


「そ、それは……あまりにも図々しいような? それに特別教室を使っているのを見られたら……」

「(婚約者のことを気にしているのね。あーもう、日に日に可愛くて自嘲するのも限界が近そうだわ。でも今は我慢)……婚約者のことなら、次の期末試験当日には彼(レックス)から婚約破棄するように仕掛けておくから大丈夫よ」

「え!? そんなことができるのですか!?」

「もちろん。生徒会を巻き込んだから、速攻で対応してくれるはずよ」

「生徒会……?」


\コミカライズ連載中/

『やり直し悪役女王は溺愛に惑う

〜婚約破棄したいのに、王子の愛が止まりません〜』

#此林ミサ ・ #あさぎかな

17話まで配信中

#ggirls #めちゃコミ


『サレ令嬢とサレ王子の華麗なる復讐劇』

#スドウショウ #あさぎかな

「Colorful! vol.124」コミカライズ連載を開始しました⸜(●˙꒳˙●)⸝

各配信サイトでも配信予定です!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

(↓書籍詳細は著者Webサイトをご覧ください↓)

https://potofu.me/asagikana123

html>

『サレ令嬢とサレ王子の華麗なる復讐劇』
漫画:スドウショウ 原作:あさぎかな

(↓書籍詳細は著者Webサイトをご覧ください↓)

https://potofu.me/asagikana123

html>

平凡な令嬢ですが、旦那様は溺愛です!?~地味なんて言わせません!~アンソロジーコミック
「婚約破棄したので、もう毎日卵かけご飯は食べられませんよ?」 漫画:鈴よひ 原作:あさぎかな

(書籍詳細は著者Webサイトをご覧ください)

html>

【単行本】コミカライズ決定【第一部】死に戻り聖女様は、悪役令嬢にはなりません! 〜死亡フラグを折るたびに溺愛されてます〜
エブリスタ(漫画:ハルキィ 様)

(↓書籍詳細は著者Webサイトをご覧ください↓)

https://potofu.me/asagikana123

html>

訳あり令嬢でしたが、溺愛されて今では幸せです アンソロジーコミック 7巻 (ZERO-SUMコミックス) コミック – 2024/10/31
「初めまして旦那様。約束通り離縁してください ~溺愛してくる儚げイケメン将軍の妻なんて無理です~」 漫画:九十九万里 原作:あさぎかな

(書籍詳細は著者Webサイトをご覧ください)

html>

コミカライズ決定【第一部】死に戻り聖女様は、悪役令嬢にはなりません! 〜死亡フラグを折るたびに溺愛されてます〜
エブリスタ(漫画:ハルキィ 様)

(書籍詳細は著者Webサイトをご覧ください)

html>

攫われ姫は、拗らせ騎士の偏愛に悩む
アマゾナイトノベルズ(イラスト:孫之手ランプ様)

(書籍詳細は著者Webサイトをご覧ください)

html>

『バッドエンド確定したけど悪役令嬢はオネエ系魔王に愛されながら悠々自適を満喫します』
エンジェライト文庫(イラスト:史歩先生様)

― 新着の感想 ―
隠れ規格外…最高です(≧▽≦)  続きが気になります!! ぜひ、おネエ様や勉強会の話を…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。