ep59 アヒージョ
……二〇〇〇(フタマルマル)。
座標:因縁のキャンプ場。
私は、かつて失態を演じたこの地で、今や「戦友」となったMちゃんと共に展開していた。
不穏な接近を試みる外部勢力に対し、私は「ヒートナタ」(ただのナタ)を抜刀。
「……私の背後に立つな。……そして、私の友人に近づくことも許さん」
宇宙船乗りの矜持(と少々のアルコール)が、乙女を鉄壁の防壁で包み込む。
今夜の兵糧は、コンビニエンス・ステーションが誇る「冷凍アヒージョ」。
スキレットで加熱されるニンニクの香りは、青金の燃料(金麦)を蒸発させる強力な重力場を形成した。
焼き鳥の缶詰という名の「簡易装甲兵糧」を直火にかけ(真似してはいけない)、貪り尽くす。
宴の終わり。
焚き火の爆ぜる音が、100回見た映画のSEのように心地よく響く。
紅茶党の私に、Mちゃんが丁寧に淹れたコーヒーという名の「黒き特効薬」。
「……苦い。……だが、温かいな」
女子トークという名の「最高機密会議」は、銀河の星々が位置を変えるまで続き、私たちは一つのシェルター(テント)へと格納された。
暗闇の中、Mちゃんが呟く。
「……今日みたいな楽しいが、ずっと続くと良いなぁ」
その弱気な観測データに対し、私は艦長としての修正プログラムを即座に走らせた。
「……何を言っている。……現状維持など、停滞に過ぎん。……明日からは、もっと、もっと楽しくするんだよ」
……直後、予期せぬ質量兵器(Mちゃんの抱擁)が私を直撃。
「おふぅっ!!」
私の発声回路が、かつての「あすっ!」に匹敵する致命的なエラー音を射出した。
「……くっ。……前頭葉を撃ち抜く必要は……もう、ないのかもしれないな」
大人になってから見つけた、10年来の知古のような温もり。
私は、隣で眠る友人の鼓動を感じながら、アルカディア号やコスモゼロ3号、4号と駆け抜ける、さらに輝かしい未来へと照準を合わせた。
「……おやすみ、世界。……次なる特異点(明日)へ、ワープ開始」
▼作戦完了報告(Mission Accomplished)
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【作戦名】 : 春の銀河・再会と約束の旅
【最大戦果】 : Mちゃんとの信頼関係の恒久化
【副次戦果】 : コンビニ飯の可能性の再発見
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【生体ステータス】
・幸福度: カンスト(上限突破)
・恥ずかしさ: 「おふぅ」により急上昇中
・明日への期待: 光速越え
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夏の間にスペシャルな回を挟んで秋頃までお休みします。




