ep58 ツーリングキャンプ
……〇六〇〇(マルロクマルマル)。
私は、朝日を浴びて輝くコスモゼロ4号に跨り、待ち合わせ地点へと接舷した。
私のリアキャリアに鎮座するのは、洗練されたパニアケースではない。
格安スーパーで確保した「買い物カゴ」を、工業用タイラップで無慈悲に緊縛した、機能性のみを追求した積層装甲だ。
「……何がおかしい、Mちゃん。……これは、あらゆる惑星環境に対応可能な『オープン・タイプ・カーゴベイ』だぞ」
彼女の爆笑をBGMに、私たちのツーリングキャンプが幕を開けた。
今回のミッション・プロトコルは過酷だ。
【制限事項:コンビニ以外の補給物資の使用を禁ずる】
文明の利器が集約された「コンビニエンス・ステーション」のみで兵糧を確保する、現代的サバイバル(縛りプレイ)。
道中、コスモゼロ4号の2ストロークエンジンが、白煙という名の「目くらまし(スモーク)」を盛大に放出する。
「……なるほど。……Mちゃんが頑なに先頭を譲らないのは、私の放つ白煙という名の有毒ガスを回避するためか」
私は後方から、彼女のトリシティのメカメカしいリアビューを眺めつつ、白煙の彼方に輝く「青い看板」を目指した。
買い込んだのは、冷凍パスタ、おつまみ、謎のチキン、そして夜の燃料。
これらを買い物カゴに放り込み、私たちは野営地(キャンプ場)へと急行する。
「……フフ。……今夜は、テントという名の密室で、美女二人の共同生活。……これもまた、士官学校を生き抜いた私への、銀河からの報酬というわけだ」
白煙を撒き散らし、買い物カゴを揺らしながら、コスモゼロ4号は新緑のトンネルを突き進む。
▼ツーリングキャンプ・進宙報告(Expedition Log)
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【搭乗機】 : コスモゼロ4号(2stバーディ80)
【特殊装備】 : 汎用買い物カゴ(タイラップ16本固定)
【作戦制限】 : コンビニ飯オンリー(縛りプレイ)
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【戦域観測】
・2ストの白煙により、後続との距離が自動的に保たれる。
・買い物カゴは、振動により「シェイカー」としても機能(要検証)。
・密室での夜に向け、艦長のテンションがオーバーヒート気味。




