表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/61

ep56 新たな翼

……一九〇〇(ヒトキュウマルマル)。

日課のプランク(生体ユニットの体幹強化任務)中、私の端末に戦友からの秘匿通信が着弾した。


「……旧式機を格安で譲渡する……だと?」


私はコスモゼロ3号を全速で漕ぎ、友人のガレージ(秘密基地)へと急行した。

そこで待っていたのは……。


「……こ、これは。……カブではない。この輝くSの紋章、そしてサイドカバーの青い鳥。……スズキ・バーディ80!」


しかも、燃焼効率など度外視した加速の暴力、2ストロークエンジン。

埃にまみれたその姿は、長き眠りについた古代兵器のようだった。

戦友の提示した対価は、わずか五万クレジット(5万円)。


「……だが、長い沈黙だ。……システムが生きている保証は……」


私は儀式を開始した。

新鮮な燃料を供給し、スズキ純正2サイクルオイル「CCIS」を祈祷師のように一滴。

そして、キックペダルという名の「心臓マッサージ」を開始。

一回、二回……。

五回目で、シリンダー内に「生命の火花」が散った。

十回目。

「パパパパパンッ!!」

ガレージ内に立ち込める、2スト特有の芳醇な白煙と香ばしいオイルの匂い。


「……生きてる。……スズキの科学力は、銀河一ィィィ!」


私と友人は、言葉を交わす代わりに、力強い握手ハンドシェイクを交わした。

こうして、アカネハイツ203号の第3格納庫(駐輪場)に、新たなる翼、「コスモゼロ4号(仮)」の配備が決定したのだ。


「……書類の捜索は戦友に任せた。……私は、夏という名の『大航海時代』に向け、この青い鳥を徹底的にオーバーホールする」



 ▼新機体・技術評価報告(New Machine Evaluation)

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【機体名】     : スズキ・バーディ80(2st)

 【取得コスト】   : 50,000円(戦友価格)

 【エンジン特性】  : 2ストローク(白煙と加速のロマン)

 ──────────────────────

 【今後の整備計画】

 ・燃料系統の洗浄(キャブレター清掃)。

 ・点火系の刷新(スパークプラグ交換)。

 ・203号室に漂う「2ストの匂い」に対する防臭対策。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ