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53/62

ep53 ブルーミルクアイス

……二一〇〇(フタヒトマルマル)。


私は、セガの伝説的ハード「メガCD」の重厚な駆動音をBGMに、海外から接舷した未知のソフトと格闘していた。


「……難しい。……洋ゲー特有の、この『一歩間違えれば死』という無慈悲なシステム……。脳内演算パズルがオーバーヒート寸前だ」


私は、頭部冷却(および糖分補給)のため、コールドスリープ装置(冷凍庫)のハッチを開放した。

そこには、前回のミッションで精製されたブルーミルクに、原始的な固定具(割り箸)を装填し凍結させた「ブルーミルク・アイス(プロトタイプ)」が鎮座していた。


「……フッ。……凍らせることで、あの毒々しい発色が、どこか避暑地のソーダバーのような清涼感へと変換されている」


見た目の脅威度は、劇的に低下。

私は勝利を確信し、その「青き氷塊」へと牙を立てた。


実食。

…………。

「……堅い。……これは、食べ物ではない。……装甲板アーマーだ」


想定外の硬度。

どうやら、乳脂肪分が少ない状態で静止凍結させたことにより、ブルーミルクは「微細な氷の結晶の集合体」ではなく、「単一の強固な氷のモノリス」へと相転移してしまったようだ。

下手をすれば、私の咀嚼ユニット(歯)が物理的に損壊しかねない。


私は、自らの無知(空気を含ませる工程の欠如)を認め、少しずつ、溶け出すブルーミルクを啜るという「長期戦」へと戦術を切り替えた。


「……なるほど。……料理もゲームも、事前のリサーチ(攻略法)が重要だということか」


私は、口内に広がる冷たさとバニラの甘みに、少しずつゲームのストレスが溶けていくのを感じた。

次回の精製時には、より高効率な「攪拌プロセス」を導入することを固く誓いながら。

 ▼冷凍兵糧・開発失敗報告(R&D Report)

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 【開発物資】    【評価】  【備考】

 ・ブルー・アイス棒 : 硬度 S  (鈍器として使用可能)

 ・冷却効果     : 持続 A  (溶けるまで時間がかかる)

 ──────────────────────

 【新たな知見】

 ・空気の混入がない場合、家庭用冷凍庫は「兵器級の硬度」を生み出す。

 ・ゲームもアイスも「甘くない」のが洋ゲーマーの日常。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ストックが切れたので、公開日誌はまた来週の22日から連続投稿します。

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