ep52 蒼き誘惑
……休日。
私は、アカネハイツ203号のメインスクリーンを占拠し、遠い昔、遥か彼方の銀河系の歴史を、網膜に焼き付けていた。
暗黒卿の吐息、ライトセーバーの唸り。……そして、私の視線は空を歩く者が飲む「それ」に釘付けになった。
「……ブルーミルク。……今、私の細胞がそれを求めている」
だが、地球という名の辺境の惑星において、青い乳汁を精製するのは容易ではない。
最大の難関は「青色食用色素」の確保。
私はコスモゼロ3号に跨り、市街地にある物資集積所(スーパー・製菓材料店)を次々と強襲。
「……ない。……このセクターにも、青の試薬は存在しないのか……」
三つ目の工廠でようやく発見。私はそれを速やかにカーゴベイ(白いカゴ)に収容し、全速力で203号室へと帰還した。
精製プロトコル:
1.牛乳一カップをリアクター(コップ)に装填。
2.砂糖大さじ1を投入し、分子レベルで撹拌。
3.バニラエッセンス一滴という名の「香りのスパイス」を添加。
4.そして……禁断の「青色色素」を滴下。
「……完成だ。……この、およそ食品とは思えない毒々しい発色。……これこそが、タトゥイーンの夕暮れの色だ」
実食。
…………。
「……うーまい!!」
視覚情報が脳内で「警戒信号」を鳴らし続けるが、味覚中枢が受け取ったのは、バニラの芳醇な香りと優雅な甘み。
見た目はアウター・リムの劇物、味はコア・ワールドのスイーツ。
私は満足げに、青く染まった唇を拭った。
▼タトゥイーン特別補給報告(Supply Report)
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【精製物資】 【コスト】 【備考】
・ブルーミルク : 50円 (牛乳+砂糖代)
・青色食用色素 : 280円 (今回の戦略投資)
・コスモゼロ3号燃料 : 0円 (艦長の脚力のみ)
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【副作用】
・舌および唇の青色化(一時的なエイリアン化)。
・「おからパンケーキ」との味の相性は……要検証。
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