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52/61

ep52 蒼き誘惑

……休日。


私は、アカネハイツ203号のメインスクリーンを占拠し、遠い昔、遥か彼方の銀河系の歴史を、網膜に焼き付けていた。

暗黒卿の吐息、ライトセーバーの唸り。……そして、私の視線は空を歩く者が飲む「それ」に釘付けになった。


「……ブルーミルク。……今、私の細胞がそれを求めている」


だが、地球テラという名の辺境の惑星において、青い乳汁を精製するのは容易ではない。

最大の難関は「青色食用色素」の確保。


私はコスモゼロ3号に跨り、市街地にある物資集積所(スーパー・製菓材料店)を次々と強襲。


「……ない。……このセクターにも、青の試薬は存在しないのか……」


三つ目の工廠でようやく発見。私はそれを速やかにカーゴベイ(白いカゴ)に収容し、全速力で203号室へと帰還した。


精製プロトコル:

1.牛乳一カップをリアクター(コップ)に装填。

2.砂糖大さじ1を投入し、分子レベルで撹拌。

3.バニラエッセンス一滴という名の「香りのスパイス」を添加。

4.そして……禁断の「青色色素」を滴下。


「……完成だ。……この、およそ食品とは思えない毒々しい発色。……これこそが、タトゥイーンの夕暮れの色だ」


実食。

…………。

「……うーまい!!」


視覚情報が脳内で「警戒信号アラート」を鳴らし続けるが、味覚中枢が受け取ったのは、バニラの芳醇な香りと優雅な甘み。

見た目はアウター・リムの劇物、味はコア・ワールドのスイーツ。

私は満足げに、青く染まった唇を拭った。



 ▼タトゥイーン特別補給報告(Supply Report)

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【精製物資】    【コスト】 【備考】

 ・ブルーミルク   :  50円  (牛乳+砂糖代)

 ・青色食用色素   :  280円  (今回の戦略投資)

 ・コスモゼロ3号燃料 :  0円  (艦長の脚力のみ)

 ──────────────────────

 【副作用】

 ・舌および唇の青色化(一時的なエイリアン化)。

 ・「おからパンケーキ」との味の相性は……要検証。

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