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49/64

ep49 おからパンケーキ

……作戦完了。


三〇〇グラムの「おから」という名の残存兵力は、今やパンケーキという名の「エネルギー・カートリッジ」へと完全換装された。


「……小麦粉と一対一。……そして紅茶という名の芳香剤を投入」


私は、愛機スキレットを加熱。ベーキングパウダーを欠いた私のパンケーキは、膨らむことを放棄し、地表を這うような薄い円盤ディスクとなった。

だが、艦長は怯まない。


「……膨らまぬなら、重ねればいい。……積層装甲こそ、203号室の伝統だ」


焼き上がった薄膜に、砂糖という名の「甘美な粉末」を塗布し、巻き上げる。

プレーン、そして紅茶。二種の属性を持つロール状のパンケーキが完成した。


実食。

…………。


「……普通。……驚くほど、普通だ」


ホイップクリーム、チョコソース、バナナ……。もし、それら「外装パーツ」が揃っていれば、この兵糧は銀河一のスイーツへと進化していただろう。

だが、現状の兵站(予算火の車)においては、この「普通」という名の安定こそが、最大の戦果である。


「……よし。……砂漠の攻略は終わった。……肩の荷が、ようやく降りたぞ」


私は残ったパンケーキを冷凍ポッド(冷凍庫)へ格納。これからの任務における、貴重な緊急補給物資となるだろう。

今夜は、甲類焼酎という名の「強制燃料」すら必要ない。


私は、洗浄室(風呂)という名のメンテナンス・ドックに身を沈めた。

温かな湯船の中で、私は目を閉じる。

燃料アルコールを使わずとも、心地よい疲労と達成感があれば、ワープ航法(就寝)は容易だ。


「……ワープ開始……」


私は静かに、明日の太陽という名の「恒星の再点火」へ向け、意識を漂白していった。



 ▼今回の「おから最終処理」報告(Final Mission Report)

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【投入資産】    【コスト】 【備考】

 ・おから(残)    : 処理完了  (砂漠からの生還)

 ・小麦粉&砂糖   : 備蓄品   (追加予算ゼロ)

 ・スキレットの熱量 : 愛情込   (馴染んできた相棒)

 ──────────────────────

 【残存戦力】

 ・冷凍パンケーキ: 多数(今後の朝食・おやつ用)

 ・晴れやかな精神: プライスレス

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