ep49 おからパンケーキ
……作戦完了。
三〇〇グラムの「おから」という名の残存兵力は、今やパンケーキという名の「エネルギー・カートリッジ」へと完全換装された。
「……小麦粉と一対一。……そして紅茶という名の芳香剤を投入」
私は、愛機スキレットを加熱。ベーキングパウダーを欠いた私のパンケーキは、膨らむことを放棄し、地表を這うような薄い円盤となった。
だが、艦長は怯まない。
「……膨らまぬなら、重ねればいい。……積層装甲こそ、203号室の伝統だ」
焼き上がった薄膜に、砂糖という名の「甘美な粉末」を塗布し、巻き上げる。
プレーン、そして紅茶。二種の属性を持つロール状のパンケーキが完成した。
実食。
…………。
「……普通。……驚くほど、普通だ」
ホイップクリーム、チョコソース、バナナ……。もし、それら「外装パーツ」が揃っていれば、この兵糧は銀河一のスイーツへと進化していただろう。
だが、現状の兵站(予算火の車)においては、この「普通」という名の安定こそが、最大の戦果である。
「……よし。……砂漠の攻略は終わった。……肩の荷が、ようやく降りたぞ」
私は残ったパンケーキを冷凍ポッド(冷凍庫)へ格納。これからの任務における、貴重な緊急補給物資となるだろう。
今夜は、甲類焼酎という名の「強制燃料」すら必要ない。
私は、洗浄室(風呂)という名のメンテナンス・ドックに身を沈めた。
温かな湯船の中で、私は目を閉じる。
燃料を使わずとも、心地よい疲労と達成感があれば、ワープ航法(就寝)は容易だ。
「……ワープ開始……」
私は静かに、明日の太陽という名の「恒星の再点火」へ向け、意識を漂白していった。
▼今回の「おから最終処理」報告(Final Mission Report)
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【投入資産】 【コスト】 【備考】
・おから(残) : 処理完了 (砂漠からの生還)
・小麦粉&砂糖 : 備蓄品 (追加予算ゼロ)
・スキレットの熱量 : 愛情込 (馴染んできた相棒)
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【残存戦力】
・冷凍パンケーキ: 多数(今後の朝食・おやつ用)
・晴れやかな精神: プライスレス
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