ep21:銀河(津軽海峡)を越えて
茹だるような夏。
母船・アカネハイツ203号の空調ユニットは、冷房代という名のエネルギーを無慈悲に消費し続けていた。
「……作戦変更だ。これより本艦は、天然の冷却宙域(北海道)を目指す」
幸運にも獲得した夏季休暇。私はアルカディア号に必要最小限の兵糧を積み込み、フェリーターミナルへと急行した。
「……巨大な母艦への接舷(乗船)か。……未知の経験だ」
内心の動揺を隠しつつ、港の士官(親切な職員)たちの誘導に従う。アルカディア号が無事に格納庫へ収まった時、私は心の中で静かに「あす!」と叫んだ。
個室。一番安価なランクとはいえ、そこは私にとって完璧な独立居住区だ。
「……素晴らしい。狭隘だが、必要な装備が全て揃っている」
私は艦内(船内)の哨戒任務に赴いた。
ビュッフェから漂う芳醇な香りが、私の財政感覚を揺さぶる。
「……臆するな、私。……旅行とは、時に贅沢という名の弾幕を張ることも必要なのだ」
軍事機密(保冷バッグに隠したカップ麺二つ、金麦六缶、おにぎり二つ)の存在を秘匿したまま、私は夕食ビュッフェという名の「正面突破」を敢行した。
「……美味い。……これが、文明の味か……!」
だが、艦長としての理性は死んでいない。一杯八〇〇円もする生ビールという名の「高級エネルギー」には手を出さず、私は食後の余韻を口に含んだまま、全速力で個室へと帰還。
保冷バッグから、冷えた金麦を解き放つ!
「……カシュッ! ……ふぅ、戦略的、かつ合理的な完璧な補給だ」
セコいのではない。これは「リソースの最適化」である。
心地よい揺れとアルコールの作用が、私の意識をゆっくりと浮上させていく。
「……明朝には、北の玄関口・苫小牧。……ふふ、本物のワープ航法を、心ゆくまで楽しもうではないか」
▼今回の作戦費用報告(Mission Expense Report)
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【投入資産】 【コスト】 【備考】
・大気圏離脱費用: 35,000円 (車両込み、片道概算)
・高級エネルギー(ビュッフェ): 2,500円 (一度きりの贅沢)
・秘匿兵糧(金麦等) : 1,200円 (持ち込みによる節約)
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【合計コスト】 : 38,700円 + 期待感
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【作戦評価】
大規模遠征の第一フェーズ、概ね良好。
個室という名の安全圏を確保し、精神的安定度を維持。
翌朝の苫小牧上陸後、直ちに「涼しさ」という名の戦果を享受する予定。




