ep20:黄金の凱旋
午前六時、起床。
「……素晴らしい。これが、投資の力か」
背骨に軋みはない。アルカディア号の内部は、かつてないほど完璧な休息空間へと進化していた。
私はハッチを開け、外気(大気成分)を肺の奥まで吸い込む。
勝利の余韻を噛みしめるべく、私は誇らしげに司令官席(椅子)へと腰を下ろした。
「……ひゃっ!?」
情けない声が、静かな森に響く。
朝露。夜の間に降りた冷たい水分が、私の着座部位(お尻)を無慈悲に冷却していく。
「……くっ、軽微な損害だ。前回の精神的壊滅に比べれば、ズボンの湿り気など微々たるものよ」
私は気を取り直し、ヤカンを火にかけた。
ターゲットは、一ヶ月前の敗北の象徴――「カップ麺カレー味」。
普段なら長く感じる三分間のカウントダウンも、鳥のさえずりと朝靄の中では、光速で過ぎ去っていく。
「実食」
…………。
……美味い。……一ヶ月越しの、これが本当の味か。
続いて、紅茶に砂糖を多めに投下する。脳内に糖分がワープ航法で届けられ、細胞が活性化していく。
「……リベンジ、完了だ」
私は誰に言うでもなく呟いた。
さあ、これより掃討戦(道の駅での野菜確保)を開始し、戦士の休息(温泉)を経て、母船へと帰還する。
アルカディア号、抜錨!
「……次は、どの星系(観光地)を標的にしようか」
ハンドルを握る私の口元は、自然と「普通」ではない、確かな満足の形に歪んでいた。
▼今回の作戦費用報告(Mission Expense Report)
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【回収資産】 【価値】 【備考】
・一ヶ月前の残弾 : 100点 (熟成された勝利の味)
・精神的バフ : 絶大 (リベンジ成功による)
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【投入資産】 【コスト】 【備考】
・ズボンの乾き : 喪失 (朝露トラップにより)




