82 虚脱&欠落
昨日はどうやって寝たのか覚えてないけど、ベッドで目が覚めた。
「おはよう」
ちょうどクリスも隣で目が覚めていたらしく挨拶している。
「ああ、おはよう」
一瞬誰かと思ったがすぐに思い出して挨拶を返した。
喪失感半端ないなぁ、昨日何があったんだっけ?
仕事が遅かったんだっけ?それとも?
1階に降りると若い二人が食事の用意をして待っていた。
「「おはようございます」」
「??おはよう」
誰だっけと思いながら、数秒後にユウヤとサクラだったと思いなおす。
朝飯食べて出勤へ
車に乗り込んで今日の作業は何があったかなと考えながら走らせる。
え~と、今日の作業は・・・たしか・・・書類の処理くらい・・・か?
まあいい、席に着いたら思い出すだろう。
そうやって独り言を言いながら着いた。
着替えて最初に朝礼へ。
それが終わると部署へ顔出す。
姿を見ると同僚が話しかけてきた。
「可愛い親戚とは仲良くしてるか?」
「えっ?親戚?そんなのい・・・ああ、クリスか、うん大丈夫」
「どうしたん?変だぞ?
なんか心ココにあらずって感じだけど」
「そうか?昔と変わらないハズだけど?いや待て、そういえばなんかおかしいな、何か忘れてる気が」
まあいいかその内思い出すだろう。
本日の仕事も終わり、そろそろ帰ろうかな。
「いや帰っても誰もいないし、久しぶりにジムにでも行こうかな」
それから90分程汗を流して帰宅。
そのまま風呂に入ってダウン。
1日目終了
次の日も起床してちょっと朝飯食ってから出勤。
「あれ?毎朝こんな感じだったっけ?
何か充実してたようなしていないような・・・う~ん、こんな感じだったか?」
仕事しながらなんか違うと思いつつ何事も無く過ぎて行く。
仕事終わりにまたジムに行って90分汗を流して誰もいない家に帰宅。
またまた風呂に入ってそのままベッドへ。
2日目終了
3日目、同僚から声を掛けられた。
「最近おかしいぞ?クリスちゃんと喧嘩でもしたのか?」
「クリス?誰だそれ?飲み屋のお姉さんか?
はは、そっちこそ気をつけろよ?」
同僚が気付き始め、いろんな方面から思い出させようとするが、全く思い出す気配はなく、もしかしてあの時の宴会は幻だったのでは?と考え始めていた。
こんな感じで4日目も同様な感じで過ぎて行き、日常の風景として認識され始めていた。
休日、遅めの起床で目が覚めたのはいいが、なんかおかしい。
なんかこう、もっと楽しい休日だったような気がする、昔を懐かしんでいる?
いやいや、そんなこと無いだろう、なにせ良いことはほとんど無かったのだから。
「そういえば、何で家を買ったんだっけ?
結婚した時?いやいや最近購入したはず、結婚は関係ない。
離婚してすでに10年近く経っているし」
考えてても仕方ない、ちょっくら着替えて出かけようかな。
・・・なんかどこに行っても楽しいってイメージが湧いてくる。
何故?どうして?
そこら辺に歩いているようなリア充ではない!断じて。
私生活が最悪過ぎて、脳内でリア充生活へ勝手に変換しているのではないだろうか?
それなら納得出来る。
昔読んだマンガで同じようなシチュエーションがあったな。
そんなこともあるのだろう。
「マッチ売りの少女のように最後はああなってしまうのだろうか?
ある意味残念だよな~私の人生って」
いやまて、お金はあるんだから最悪とまではいかないか、うん。
人間真上を向いたらキリが無いしな。
とりあえず今日は買い物して過ごしますか、生活必需品等補給しないと。
買い物をする度に何か思い出そうとする?いや抜け落ちて行く感覚がある。
何だろうか?今現在もその感覚があるために動けずにいる。
まさか脳に何らかの衝撃を受けてこんな事に?
もしかして全ての記憶が無くなる?
いかん、それはマズイ・・・のか?
・・・・ははっ、いや、今更だな、そんな事。
別に良いか〜〜、これも運命、受け入れよう。
とりあえず迷惑が掛からない場所に移動しよう。
道の真ん中で立ちぼうけとかしたら迷惑だしな、心が残っている間に最小限の事はしとかないとな。
「さようなら、つまらない私の人生。
そしてもし、もし次があるのならクリスと・・・・」
・・・・・・・・誰だっけ?
次の瞬間、目の前が真っ暗になった。




