79 願いとその先と
「えっと、聴いていたかな?」
「「「・・・・・・」」」
「ここで質問だ、機密事項等あるだろうからゼスチャーで意思を示してくれ」
全員首肯する。
「人間になれる可能性がある、もし、なりたいなら座っていてくれ。
そんなの面倒だ、このままでいいというのなら立ち上がって、この部屋から一回立ち退いてくれ。
目を閉じておくから、今から60秒以内によろしく」
・・・・・・・
・・・・・・・
60秒後、目を開けると3人が座って目の前にいた。
「いいのか?願いが叶った場合、60年後くらいには寿命で死ぬんだぞ?」
「一緒に歳を取って一緒の墓に入りたい、それと」とクリス
「ずーっと永遠に生きるより人として死にたい、それと」とサクラ
「サクラと一緒に限りある人生を全うしたい、それと」とユウヤ
「「「みんなで一緒に生きて川さんを看取りたい」」」
みんなの思いにちょっと目頭が熱くなったよ。
「それじゃちょっとした謎解きだ。
マスターは“今は無理、私だけ資格がある可能性あり“と言っていた。
言葉を濁していたけど、暫定で一番近い位置って事じゃ無いだろうか?
ということは、レベル10で叶えて貰える可能性があるかもしれないって事かなと」
「それが一番近い正解と思う。
もし違ってたらまた別の答え探せばいいし。
とにかく前進あるのみ」
残りの二人も首肯していた。
「今まで通り善行していこう、但し無茶するなよ?
自分の生活が第一だからな、楽しみながらいこう」
「人間になれるのなら、今の内に稼いで貯金しとこうかな。
能力は無くなってしまうだろうけど、今の内に鍛えてサクラを護れるくらいまでは強くなっておきたい」
「私も今の内に料理とか覚えて良いお嫁さんになりたい」
いかん、二人の世界に入っちゃってる。
仲が良いことは良いことだけど急接近し過ぎだな、多分クリスのせいと思うけど。
当のクリスは二人を見て微笑んでいる。
「そう言えばさ、クリス金持ってないよな?」
「今更?別に買うもの無いし、買うときは川さんが出してるし別に不便じゃないけど?」
「別行動する時に不便じゃないか?」
「別行動する時あるの?」
そういえば無かったなぁ。
「いや、今日とか・・・」
「えっ?なんかあるの?」
「会社の先輩が定年するんで送別会に行かないといけないんで」
「じゃあ付いて行くよ」
当然のように話す。
「女連れで行くと何かとマズいような気がするんだけど」
あ〜、なんかジト目で見られてる。
「繁華街行くつもりなんでしょ?
私とは遊びだったの?」
「いや、行かないよ?行ってどうすんだよ!
それに遊びってなんだよ!人聞きの悪い事言わんでくれよ、知らない人が聴いたら誤解されるだろ!」
慌てて否定する。
「繁華街行かなくて遊びじゃないなら連れてってよ、会社の部署の人だけなんでしょ?」
「妖精モード不可視でいても面白くないだろ?」
黙って座っていても面白くないだろうと思ったから留守番を頼もうと思ってたんだけど・・・
「いや、普通に参加するけど?
もちろん食べまくるし楽しみたい」
「ああ、そうだ。比較的若い男もいるぞ?イケメンの部類に入ると思うが紹介しようか?」
「いや、そっちは興味ないからいい、やっぱり私とは遊びだったの?」
「そんな事は無いぞ?いつでもほん・・・いや何でもない」
・・・・
・・・・
・・・・
「追加OKか聴いて欲しいなぁ〜」
来る気満々なんでとりあえずみんなに聴いて見たところ、若い娘ならOKとの事で逆に喜ばれた。
変なことすんなよ、とは言っておいたけど。
「え〜と、OKが出ました。
先に言っとくけど余計な事は喋るなよ?」
「は〜い、了解で〜す」
・・・絶対言うなこのパターン。
「そういう訳なんで、今日は帰りが遅いからよろしく。
邪魔者がいないから楽しんでね〜〜でも羽目外しちゃダメだよ?」
お前が言うなよ〜




