76 冷やかしと仕事と③
バトルの前にサクラと話をさせてもらう為、少し時間をもらった。
「あの・・・サクラ、ゴメン。
なんか変な事に巻き込まれちゃって。
でも、今潰さないと何するか判らない連中だから、戦ってくるよ、必ず勝つ」
「うん、判ってるから、頑張ってね」
サクラの笑顔はやっぱり最高だな。
!!!
サクラの前で跪き
「姫のために戦って参ります。
必ず勝利して戻って参ります」
サクラはちょっと驚きながらも右手を差し出す。
手の甲にキスして、いざ戦いのステージへ。
お互い対峙し一礼し構える。
審判役のSPの合図でお互いに先手必勝の右を繰り出す。
両方相打ちとなりながらも、左右のパンチを繰り出す。
それもお互い一撃ずつ交互にヒットさせながら。
互いに3発ずつ顔にヒットさせた後、数秒間の沈黙。
それから堰を切ったようにボディ攻撃、蹴り等考えられる攻撃を繰り出す。
戦いが始まって180秒が過ぎた頃、二人が笑い出した。
可笑しいのではなく、心底楽しいという顔に見える。
実際、ユウヤは楽しんでいた。
能力を使わなくても勝てると思っていたのに、互角の戦いとなっている事に喜びを。
強い方だと思っていた自分は、まだまだ足りないと突きつけられた事に。
ネイソンも楽しんでいたが同時に驚愕していた。
いつもの如く、可愛い娘をゲットする為に強引に勝負にもつれ込むまでは良かったが、こんなに強いとは思わなかった。
下準備をして相手を罠に嵌めた分、自分の方が有利なのに互角となっている。
こりゃ俺の負けだな、でももう少し闘っていたい。
お互い、一息入れたところで最期の一撃を入れるべく深呼吸し・・・動いた。
最後はお互いに顔にヒットさせた状態で止まった。
時間にして1秒無いくらいだと思われるが、ヒットさせて動き出すまでに相当な時間が経過した様な感覚だった。
先に動いたのはネイソンだった。
そのまま膝をつき右手を挙げ降参の意思を示す。
ユウヤの方ももう限界だったようで、それ以上の追撃はしなかった。
お互い目が合い、、、そのまま笑ってしまっていた。
勝者、ユウヤ!
審判の声が終わりを告げた。
「全く、これに懲りたら見境無くサカるのやめてよね!」
「ゴメン姉さん・・・」
なんか小さくなってる、負けたのがショックだったのかな?
こっちもサクラに詫びを入れないとな。
「あのサクラ・・・何とか勝ったよ」
サクラは黙って右手を差し出した。
???あぁ。
跪き、手の甲にキスをする。
「姫、勝利して戻って参りました。
何か褒美を賜りたく愚心致します」
サクラは笑顔で近づきキスをして来た。
「勝ってくれてありがとう、信じてた」
さて、お互いに顔が腫れ上がっている。
ここで能力等使うわけにいかず、取り敢えず近くの病院に搬送され隔離された部屋で治療を受けた。
しばらくは冷やさないといけないんで放置状態となっている。
ネイソンが近づいて来た。
「俺の負けだよ、完敗だ。
ここまで強いやつは初めてだよ」
「いや、俺もあの時限界だった、もう動けなかったからドローだよ。
ネイソンみたいな強い男と闘えて満足してる」
二人で笑いあった、顔の痛みを堪えて。
「そこの二人、約束忘れて無いでしょうね?」
アリアが呆れたように問いかけてきた。
「「何だったけ?」」
「お互い女を掛けての戦いだったでしょ?
明日、付き合ってあげるわよ、貴方なら捧げてもいいわ」
「「「???!!!」」」
思わず顔が赤くなってしまった。
「いや、いいよ。
引き分けだよ!今日のは」
・・・
「姉さん、こうなる事判ってたな?」
ネルソンがジト目になってた。
「当たり前じゃない!強くてイケメンなら最高でしょ?」
似た者姉弟だな。
「で、明日どこにエスコートしてくれるの?
雰囲気は大事だからね!」
もうやる気満々になってる・・・
「いや、だから俺にはサクラがいるからいいって。
・・・じゃあ、ほっぺにキスしてくれ。
それでチャラにしよう」
・・・なんか納得してないようだけど、相手がいるなら仕方ないという雰囲気でホッペにキスしてくれた。
「それじゃ改めて、明日デートして。
もちろん、4人でいいけど」
「俺からも頼むよ、サクラに変な事しないから」
こうお願いされてどうしようかと思っていると、サクラも別にいいよって顔してたから了承した。
まあいいか・・・




