69 名古屋回遊
「買った服、着て行くんだろ?」
二人に問い掛けたら、当然って顔で首肯していた。
「じゃあ、着替えて来なさい。
待合室で待ってるから」
いそいそと着替えに行ってしまったよ。
二人で世間話しながら待つこと20分、黒いのが二人現れた。
「「じゃあ、いきましょ」」
「「ああ、そうだね」」
お互いのパーナーとペアで街中を歩いた。
しばらく歩くと、某アイドルグループの拠点みたいな所と思われる建物に来たようだ。
来たようだという曖昧な表現をしたのは、なんか東京で見たような残念・・・いや若い男達が列を作っていた為だ。
またまた目線が痛い・・・リア充死ね!みたいな目をこちらに向けてるし、もう嫌だこいつら。
さっさと離れたほうが余計な事にならなくて済むんで、回避。
ちょっと休憩がてら喫茶店へ入ることに。
ファッションといっても、少数派のはずだから目立つよね。
ちらちら見られてる、3人限定で。
二人は当たり前で、ユウヤはイケメンだしな、仕方ない・仕方ないんだよ・・・
今回は馬鹿な輩はいないと思うんで4人で楽しく会話。
「そういえば、二人とも仕事は順調かい?
特にサクラの方は言い寄ってくる男がそろそろいそうだけど?」
この質問にはユウヤが答えた
「認知されるようになって何人か声を掛けてきたよ、サクラがああなんで何回か勘違いされて連れて行かれそうになったけど阻止した」
「へえ、どうやって?」
「もちろん・・・お・俺の女に手を出すな・・・って言って・・・」
青春してるな~~~うらやましい。
悲しいのはサクラのほうが鈍感だってことかな。
もうそろそろ身の危険等感じて欲しいものだが。
「川田さんはどうなのさ、クリス姉さんとは?」
「もちろん、助かってるよ。
最高のパートナーだよ」
「・・・・いや、仕事系じゃなくてさ、もっと男女間の感情とかあるでしょ?」
「・・・そっち?
もちろん好きだよ、このまま家族になってもいいくらい」
横ではクリスが珍しく赤面してたが、ユウヤは少し考えこんでいた。
「家族か・・・」
しばらく話し込んで店を出る前に、女性陣がトイレに。
「川田さんはクリス姉さんと、、、その、、、ずーっと一緒なのは嫌なの?」
???
「いや、出来るならずーっと一緒にいてくれるといいんだけどな、いつかは別れが来るだろ?
引退した時とか没収された時とか、その時は記憶も無くなってしまう。
その時は仕方ないけど」
「それなら別れが来るまではもうちょっと親密でいいんじゃない?恋人って立場でも」
なるほど、言いたいことは解る、解るけど・・・
「そうだな、言わんとしている事は理解出来るけど、バツイチなんだよ私は。
結婚失敗者が若い嫁もらって引退するまで幸せに・・・ってのは自分自身が許せないんだよ。
責任取らなくていい関係なら尚更。
もし、クリスが人間になれて一緒に歳を取れるなら、今度は全力で護るから一緒になってって言うけど」
「そうなんだ・・・」
こりゃ時間がかかり過ぎるか、なんとか出来ないかな。
人化の方法が見つかれば・・・
ここで二人がトイレから戻ってきたので、一度考えるのを中断してデートの続きに戻った。
あるホテルの前を通った時、玄関横にドレスが飾ってあった。
結婚式場も兼ねてるのだろう、通りの目立つところに数着。
クリスたちがじーっと見ている、しばらく見守っていることにするが一向に動かない。
石化してんじゃ?と二人で苦笑しているところに、
「サキ!こんなところでなにしてんだ!」
その言葉に周りを見渡すがそんな女性はいない、訝し気にクリス・サクラもきょろきょろしている。
「何やってんだよ!」
更に追及するように30前くらいの男が近づいてきてクリスの手を捕まえた。
なっ!!思わず声を出そうとする前に・・・
「何すんのよ!」
クリスがその男の顔をビンタしてしまった。
「なっ・・・お前!なにす・・・あれ?」
じっと見ている・・・
・・・・・・・・
そのうち男の顔が青ざめて、その次の瞬間。
「申し訳ない!、人違いでした!」
そう詫びを入れた男はタキシードを着ていた・・・




