64 月面会議
地球でいろんな実験体が葛藤している頃、月の基地で話し合いが行われていた。
各惑星の代表者が集まっている。
現在、司会らしき者の進行で10名ほどの参加者がいる。
「地球時間で50年程前にから始めた実験はレベル5到達者が21名となった。
各地域に4名以上存在している。
ここら辺で一度一歩進めた実験に進もうと思う。
当初、計画していたトーナメント戦を行いたい。
そんなわけで意見を求めたい、何か意見はあるだろうか?」
その言葉にひょろっとしたグレイみたいな頭と目が大きい者が挙手した。
「各地域代表の4名で行うのだろうか?それとも数名を選抜?」
「各3~4名出して戦ってもらうことにしたいと思う。
あくまで個人戦でだが」
別の全身銀色のスライム状の者が挙手。
「参加者全員に何らかの報酬を?」
「そこはこれから話合いたい。
それから今回の優勝者には何でも望みを叶えたいと思う。
それが”人類を同盟に加えて欲しい”と望めばそれもOKとしたい。
その承認も兼ねた会議である。
異議がある者は挙手をお願いしたい」
見渡すが、挙手するものはいなかった。
おそらく、優勝者がそんな願いするわけないと思っているのだろう。
「それでは細かな設定をしていこうと思うが、その前に各地域の状況を確認しておきたい」
今日現在の状況は・・・
アジア・オセアニア大陸 241名
レベル5到達者、6名
ヨーロッパ大陸 264名
レベル5到達者、6名
南北アメリカ大陸 250名
レベル5到達者、5名
アフリカ大陸 245名
レベル5到達者、4名
*レベル5到達者 21名
*レベル6到達者 10名
*レベル7到達者 3名
以上
「各地域ではそんなに差はない、しかし脱落者は全体の半分近くを占め随時入れ替わっている。
後50年経過しても変わらないと思われるが、その頃になると地球人は宇宙にも生活の場を確保出来るようになるだろう。
その時は恐らく敵対する事になる可能性が高い。
我々は戦いに特化している訳ではない為、泥試合になると思われるがそれを避けるために・・・・
いや、そこは今回関係ない部分だったな、話を戻そう。
とにかく今の状況は先に掲げたデータである、確認をして頂きたい。
これを踏まえて試合形式の方法等あれば意見をお願いする」
「「「・・・・」」」
誰も意見が出ない。
それも当然である、戦うという概念がほとんど無い星の者為に思い浮かばないのである。
このままでは話が進まない為、司会者が案を出した。
「それでは地球にある競技ではどうだろうか?
1vs1で行えるものに限るが、多数あると思う」
頭にツノがある代表から意見が出た。
「それなら、実験体に付いている妖精達の意見を求めては?
地球の競技等見ているはずだから我々よりいい案が出ると思うがどうだろうか?」
「なるほどな、それでは意見を聴いてみよう。
皆さん、地球時間で1時間程待って頂きたい」
暫くしてデータが揃った為、再度収集された。
「色々な意見が出たので取り敢えず発表する。
ボクシング
柔道
テニス
卓球
レスリング
陸上競技全般
個人戦で出来るのはこんなものだろう」
「それから、競技内容はデータを送るので後で確認をしといて欲しい。
明日にでもまた話し合いの場を設けるのでそれまでに意見をまとめておいてくれ。
それでは今日は解散」
各代表が帰った後、司会を行った者は思った。
こんな事になるなら、早いところ地球人を仲間にした方がいいのでは無いだろうか。
この宇宙空間の中には好戦的な種族もいるし、戦略的な事を考えると取り込むのもアリではないか。
敵対する種族が地球にちょっかいかけてくる可能性もあるし。
もし、敵対する事になるとこちらとしては勝つことは難しいだろう、おまけに同等の戦力を持てばもう勝ち目は無い。
そんな事を考えながら、明日の会議はどうなるのだろうかと思うのだった。
そして次の日、草案が採決され妖精達を通じて告知された。




