62 大阪へ
休日、大阪へ
何のことはない、ただ来たかっただけである。
何故か大阪弁が博多弁になってる、翻訳機能万能過ぎだろ、これじゃ。
まあ良いけど、なんか大阪来た感じしないな。
そうそう、ここの名物?に駅構内での案内があったな。
道に迷ってる人に声かけて“どこ行きますの?”って良く見る光景だ。
まあ、今まで4回くらいしか来てないけど、広い新大阪駅歩いてたら2〜3組は見るよ。
大阪の人っていい人達だと思ってたよ、もう10年前になるかな、ゲーセンである人と知り合うまでは。
その人が言うには・・・
「そんなとこ突っ立っておられると邪魔やねん!
早いとこ進んでもらわな困るから、案内しとんねん」
って言われた。
本当にせっかちなんだなってその時感じたよ、同時に邪魔だったから案内するのかとも。
晩飯の事も言われたな。
お好み焼き食ったって言ったら
「大阪は串カツやねん、お好み焼きてあかんわ!
どこで食った?」
「チェーン店」
「そんなとこで食うなんて笑い話にもならんで、専門店行きい、今度会える事あったら案内したるわ」
博多弁と違う生の言葉にちょっと感動したのを覚えてる。
こんな事あったけど、やはり大阪の人は人懐っこいとも思う、気さくに声掛けて来るし。
コミュ障の私にとってはね。
それに比べて東京の人達は、目の前にいる困ってる人完全に無視だったからなぁ。
もしかしてこの人見えない人かも、って本気で疑ったくらいスルーしてた。
それともそれがルールなのかもしれないけど。
なんて事を思い出していた。
「川さんこれから何処に行くの」
「とりあえず串カツ食べに行こうか、おススメらしいから」
10年越しの約束を果たせたかな、案内は無いけど。
飯食った後、特に行くとこ無いんでぶらぶらと買い物へ。
そこそこ買い込んでのんびりと座っていると何処かで見たような男性が。
しばらく考えていると、サクラが
「前回の担当者です」
ちょっとうつむきながら横から答えた。
ああ、そういえばあんな顔だったな。
あの時財を選ばずサクラを選んでたなら、もう少し楽しい日々を過ごしていたと思うぞ?あんた。
その場合はサクラとユウヤに会えなかった訳だけど。
今何してるんだろうか?なんか覇気がない目をして歩いてるけど、普通に暮らしてるんだろうか。
ちょっと気になっても、すでに記憶等無いだろうから話しかけてもなぁ。
なんで大阪にいるのかも聴いてみたいけど、う〜ん。
そんな事考えていたら、サクラがその男性の前というか視界に入る位置で立ち止まった。
しかし、ちょっと目線をサクラに合わせただけですぐに興味が無いような感じで外してしまった。
やはり全ての記憶が無いんだろう。
間違った選択者の末路を実際に目のあたりにして、ちょっと冷や汗が出たよ。
一歩間違ってたら私もあんな感じになって、面白くも無い人生を歩んでただろう。
しかし、思ったよりモテなかったような言い方してたと思ったけど、サクラじゃダメだったのかな?
容姿はすごく可愛いと思うぞ?
彼女出来るまでの繋ぎとして十分だと思うが。
やはりお金&地位が魅力的だったのかな。
等と考えているとサクラが戻ってきた。
ちょっと寂しそうだったが、ユウヤが直ぐに慰めに入っていたので大丈夫だろう。
「自分が同じ立場になった可能性を考えてたの?」
クリスが不意に問いかけてきた。
「可能性十分あったと思う、断る勇気・財に飛び込むハングリー精神というかプライドを捨て切れなかっただけだよ。
本当にお金に困っていたらあの男性と同じ状態になっていたと思う」
「そんな事無いと思う、たとえお金が無くても今の状態になっていたと思う。
だって、私の容姿はドストライクでしょ?」
笑いながら、いや、冷やかしながらクリスがそう言った。
「そういう事にしておこうか、まだまだ暫くは付き合ってもらうぞ?
何しろドストライクなんだからなぁ」
サクラ達も落ち着いた様だし、もう少しぶらついて帰りますか。
そう言いながらアーケード街に歩いて行った。




