51 ダブルデート
引っ越した次の日、朝目覚めると記憶が曖昧だった。
夜、いままでの進捗状況を確認してたと思ってたけど途中で寝てしまったのかな、風呂入った記憶が無いし。
まあいい、それじゃ起きようかな。
横で寝ているクリスに声を掛けた。
「クリス、起きてるか?」
「はい、起きてます」
そう言いながら目を瞑って両手を前に真っすぐ突き出した。
「何やってるんだ?」
「昨日約束したでしょ?お休み前にキスするって」
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「お休み前だろ?今は朝じゃんか?」
「昨日夜してくれなかったじゃない」
そうだった、あれから思考回路吹っ飛んで会話にならなかったんだった。
「判った」
そう言いながらキスした。
多分、そのうち一時的な迷いだったと気付くだろうと思う。
「それでは今日はダブルデートです。
どこか行きたいところある?」
ぶふぉ〜!!
「なんじゃそりゃ〜?」
「いや、昨日決まったんですよ、川さん寝てたから勝手に決めちゃいました。
デートを勧めてたでしょ?今日は任務も無さそうだし、丁度いいかなって」
「確かにそうだけど、私達までなんで?」
「たまにはいいでしょ?見た目も若いんだからセーフだよ〜」
そういえば自分の顔とかしっかり見た事無かったな、事故に遭ってから。
見てみる事にした。
「ああ、確かに30歳の頃はこんな顔だった気がするなぁ懐かしい。そういえば肌もちょっと滑りが良くなった気が、でも戸籍上は今年49だけどな」
・・・まあいいか。
行く場所が思い付かなかったんでまた東京の秋葉原へ。
またあのホテルの近くに飛んだ。
今回はそこから二手に別れて散策する事になった。
アキバらしく女性陣はメイド服のロングスカート版だ。
クリスは服を持っているからリアル着衣、サクラはもってないから具現化着衣。
ここでしか着れないなら着るしかないでしょ!って事でこうなった。
ふらふらっと廻って、まだまだ外人というかアジア系の人が多いな、喋ってくれないとぱっと見分からん。
相変わらずメイドさんも多いな、パンフ持ってるから店の娘と判断出来るからいいけど。
う〜〜ん、行くとこない。
前回の喫茶店いこうかな、相変わらず敷居が高そうだけどクリスがいるし、二回目だし何とかなるか。
店に入った所、やはり多い。
空いているのは奥のテーブル・隣には四人組の女の子達が。
どっかで見たような光景があり、そして更に隣にはサクラとユウヤが・・・いた。
とっさに、念話でお互い他人のフリしようと持ちかけて了解させた。
だって、間に挟まれた娘達が気まずいでしょ?
しかし、お互いに考えること一緒だな、ユウヤ。
カチコチに緊張しながらも、何とか席に着きオーダーをしようとしたら横から声が掛かった。
「あの、2月頭辺りにここで会った人達ですよね?」
いきなり声かけられてテンパっていた所、クリスが耳打ちしてきた。
「前来た時に隣に若い娘達が座ってたでしょ?覚えてない?」
そういえばいたなぁ、顔忘れてるし服装髪型とか違う気が・・・するようなしないような、、、
「こんにちは、また会ったね」
クリスが話しかける。
まずい、このパターンはボッチフラグだ!
そう思っていると
「また一緒だと言うことは、、、付き合ってるんですか?」
「いや、ちが・・・」
「そうなんだ〜、この人鈍いからやっと私の気持ちに気付いてくれてねぇ」
きゃぁきゃぁ言い始めた・・・
ダメだ収集付かなくなる、考えるんだ言い訳を・・・
「クリス嘘はダメだぞ?ごめんね、実はクリスは亡くなった嫁さんの連れ子なんだよ。この歳になるまで誰とも付き合った事無いから慣れさせる為に実験体としてこうやってデートもどきをね」
へぇそうなんだ〜と残念がる娘達。
しかし、ひとりの娘が気付いた。
「20歳前の娘の母親の旦那さんって・・・若過ぎないですか?」
「ああ、私は今年49だよ?」
え?ええええ〜〜?嘘だ〜〜〜
周りからも騒ついた声がヒソヒソと
「本当だよ、ほら、クレカと保険証」
顔写真は載ってないけど、二つのカードの名前が同じなら間違いないだろうという事と、年齢を誤魔化す理由が無いもんね。
逆なら犯罪絡みと疑われるけど。
それでやっと信用してくれたようだ。
「クリスは娘扱いにされて納得いかない顔してた。
あとでご機嫌を取っとこう、後が怖いから・・・」
こうして幸か不幸か会話の中に入れてしまった。




