50 引っ越し日の夜2
お風呂上がったよ~
二人が上がってきた、さっぱりした顔で。
今はユウヤが風呂場に向かっていて脱衣所だ。
サクラちょっといいかな?
「なに?川さんどうしたの?」
「何でしょう?」
「いやね、仕事とかどうかなと思ってさ」
「ユウヤ君と一緒だし歳が近い人たちの護衛任務だから気持ちは楽です。
ただ相手はVIPの人達なんで言葉遣いとか気をつけないといけませんけど」
無事にこなしてるようで一安心だ。
「変に言い寄ってくる男とかいないかい?」
「??いえ、特には」
・・・気付いてないのか、判らないのか、ユウヤがガードしてるから気付かないのか・・・やはり天然か?
「サクラは判らないかもしれないけど、サクラの容姿だったら人通りの多い場所なら声を掛けてくる輩は多いと思うぞ?
今はユウヤがガードしてるから大丈夫だけど、将来一人で任務とか付くときは気を付けてくれよ?」
「はい、判りました」
いまいち判ってなさそうだけど仕方ない、その理解するだろう。
でも、いざというときは不可視化で逃げればいいんだろうけど。
「ああ、それから護衛料は将来の為に貯金しとけと言ったけど、欲しいものがあれば買えよ?借金しない程度に。
貯めるだけじゃ社会勉強にならないし、面白くないからな」
「買うものと言っても何かあるかな・・・」
悩む所かよ、そこ。
「いや、服とか美味しい物とかあるだろ?あと、デートするとか。
遊園地とか行ってもいいだろ、たまにはユウヤと」
クリスが割って入って来た。
「そうだよ、サクラちゃん。
服とか可愛いのがお店にたくさんあったでしょ?着たくないの?」
「あ~データ処理してストレージに仕舞えますので特に今欲しいのは・・・」
「違うよ、見て触って試着して楽しむのがいいんじゃない。
彼氏とかと一緒に行って・選んで・見てもらって悩んで買うのが最高だよ?
私たちには無駄な行動かもしれないけど、二ヵ月前に服を選んで購入した時は楽しかったでしょ?」
そう言われて思い出したように、
「そうでしたね、時間の無駄と思ったけど楽しかったです。
これが人間の感情なんでしょうか」
「そうそう、ゆっくりでいいから溶け込んで行こうよ」
これはもう少し時間が掛かりそうだ、ユウヤ頑張って落とせよ。
「ああそうそう、どこか遊びに行きたい所があれば言ってくれよ、行ったことある場所限定だけど送り迎え出来るから。
ちなみに今行けるところは、東京ディズニーランド・ハウステンボス・東京の渋谷・秋葉原・お台場・池袋
九州全般のテーマパークかな」
「はい、ありがとうございます」
それからクリスに向き直った。
「クリス、事故の時の事なんだけど・・・」
「はい、なんですか?」
「あの時、生命力を注いでくれたんだろ?」
「えっ?何で知ってるんです?・・・あっユウヤか・・・」
口止めしてなかったな、失敗したという顔をしている。
「もしかしたら障害が残ったかもしれないんだろ?助かったよ。
そのおかげ?といっていいのかどうか判らんけど肉体まで若返ったようで・・・道理で体が軽いと思ったよ、ありがとう。そしてリタイヤまでよろしくな」
クリスはちょっと感動しているようだ、感謝されて。
「しかし、肉体が触れていれば注入可能とはすごいな、あまり世話になってはいかんけどさ」
「いえ、私としてはいつでもOKですよ?初めてのことだったし」
「??いつも接触してるだろ?」
横で聴いているサクラがちょっと赤ら顔になっていた。
「えっ?あの時が初めてですよ?それとも私が寝ているときに・・・?」
もしかして手を繋ぐことじゃなく、胸への接触かな?
「いや寝てるときはそんなことしないけど?寝ぼけてたら御免だけどさ」
「起きている時には口づけなんてしたこと無いじゃないですか!もしかして浮気?」
・・・今なんて言った?なんて?
「ちょっと待て、今なんて言った?口づけって言ったか?・・・
それはキスという物か?」
「えっっと・・・そうですけど何か問題が?」
「マジか?そっちか・・・」
・・・・いかん、冷や汗が出てきた・・・
「初めてって言いましたよね?クリスさん・・・」
「はいそうですが?」
「・・・すいませんでした、そんな大事なものを・・・あの・・・詫びになるものがあれば何なりと申し付け下さい」
「なんで謝るんですか?それに詫びとかそん・・・・」
なんか思いついたような顔してますよ、クリスさん。
「そうですね、それじゃ毎日寝る前にキスして下さい」
・・・・・
「はぁ?、いや詫びになるものであって、それじゃクリス大損じゃんか」
クリスは呆れたような顔になって、
「まだ判んないんですか?私は川さんが好きです。前から言ってるでしょ?あ・い・し・て・ま・す」
免疫のない私はそのままフリーズしてしまった。




