39 新たな服とペナルティと
店内は見知らぬ服が一杯だった。
当たり前の事だけど、こんなにも種類があるとは。
クリスはさっさと服選びに行っちゃったよ。
普通の服ではないからお客さんは数名しかいなかったんで、居場所が無いという最悪の状態にはまだなっていない。そう、今のところまだ。
しばらく椅子に座って待っていると、クリスが服を数着持って現れた。
「どれがいい?」ってパターンか?
利き腕は右か左か?どっちだっけ?
そんなリア充みたいな事に立ち合った事ないぞ!
ミッションインポッシブルだ!
まとめきれず逡巡していると・・・・
「この数着で迷ってるんで試着するんで見てください」
クリス〜、お前もか!
でも助かった〜
着替えを待って出てきた姿を見ると・・・天使か!?
背が高い分、隠れた足が長く見えてとても似合ってる。
いかん、思った事を口に出すと増長してしまう。
ペナルティでは無くなってしまうではないか、平常心を心掛けないと。
しかし、これを5回繰り返され・・・あえなく轟沈してしまった。
いや〜眼福だったよ、口には出さないけど。
「結局、どれを着て欲しいですか?」
そういえばそうだった、ここレンタルショップではなかったな。
「うーんとね、この3着かな」
なんか金持ちの家に普通にいそうな感じのを選んだ。
もちろん、スカートはロングタイプの。
「クリス、1着自分で選んでいいよ。着たいのあるんだろ?」
「いいんですか?じゃあこれを」
手に取ったのは短いスカートタイプのやつだ。
これ、ここら辺じゃないと絶対外歩けないぞっていうタイプのやつ。
全部で4着と装飾品、値段は・・・以外とするな。
今回の臨時収入がこれで相殺されて、残りは生活費に消えるくらいか。
貯金には全く手を出さなくていいから、まあいいか。
店の店員さんに
「この4着とオプション品まとめて買います」
オーダーメイドじゃないけどちょうどいいサイズがあって良かったな。
クリスは嬉しそうだった。
しかし、ここからがペナルティの時間だよ。ふふふ!
「クリスくん、1着このまま着て帰ろうか?
その短いスカートタイプがいいんじゃないかな?」
クリスはびっくりしていた、そして・・・
「良いんですか?!早速着替えますからちょっとまってて下さいね!」
え?、そこは恥ずかしがる場面では?・・・
着替えたクリスが一言。
「今からアキバデートですね!」
・・・ペナルティ食らったのは私の方だった・・・
秋葉原周辺を一周、たかが一周・・・
きつかった、目線が痛かったよ。
気持ちわる・・いやいや、モテない・・いやいやそこら辺の男達の突き刺す目線が痛かった。
リア充死ねオーラ半端ない。
いや、私もそっち側の人間だからね?
そもそも、保護者に見えるだろ?
えっ?手を繋いでるじゃんか?・・・いやいや保護者ですから!
時折、メイドカフェの店員に店に持っていかれそうになったり、女の子達にどこの店って聴かれたり、スカウトみたいなイケメンに声を掛けられていたり(この時は軽く冷たい目線で来るなオーラ出していた)していたけど、楽しそうだった。
挙げ句の果てには、外人さんに写真撮られまくっていたよ。
「あ〜そこ!お触りはダメだから!」
マネージャーか私は。
そんなこんなで満足したのか、喉乾いたというから喫茶店へ。
マッ◯じゃダメだよね、ここは。
とてもじゃないけど、敷居が高すぎるオシャレなカフェへ行くしか無いのか?
覚悟を決めて店の扉を・・・開けた。
一瞬、入口に集まる目線、そして元に戻るはずの目線はこちらに釘付けに。
そりゃメイドさんが入ってきたら見ちゃうよね、うん。
最悪なことに奥のテーブルしか空いてねぇ~~ついでに隣の席は若い娘4人組だ。
目線が突き刺さる通路を真っすぐ歩き椅子に座っても目線が痛い。
さっさと休憩して帰りてぇ。
クリスを見ると嬉しそうにオーダー表を見ている・・・楽しそうに。
「川さん、どれにします?私はケーキセット頼みますよ」
「・・・ああ、ホットコーヒー頼もうかな・・・」
注文して歓談していると周りの声が気にならなくなった。
そうだよな、いまさら気にしても変わらないしな。
落ち着いたらトイレに行きたくなって席を外した。




