32 災難の後
あれから更に二日が経ち、もう大分良くなって来ていた。
最終日に検査して異常無ければ翌日に退院出来るらしい。
フルで後二日か、よし行こうか。
「クリス、後衛職で僧侶銃士モードで外見変更無しでよろしく」
「了解です、降ろします」
なんか久々だな、この感覚。
今回は見た目変えると部外者扱いになるのでオフモードだ。
さて、重病の患者さんから診て廻るか。
各階の看護師詰所に近い部屋が重病っぽいんでそこから行く。
骨折等の人は1ヶ月程で治るからスルーで。
事前にクリスに確認してもらってる部屋へ間違ったフリして入り込み、クイックドローにて射撃&離脱を各階で行うこと5回。
色々な病気があるものなんだと思うよ、知らない世界だ。
これを1セット行いちょっと休憩。
昼過ぎからもう一回廻ってみる。
次は不可視モードで行こうかな、女性の病室はさすがに入りづらいしな。
その前に昼飯食っておこう、病院は確実に昼食を食べないと怒られるし。
それから病室で2〜3時間程喋っていると午後の検診が。
世間話をして異常無いのを確認後、次の患者さんへ行ってしまった。
看護師さんってどうして綺麗どころが多いんだろうか?制服効果か?う〜ん不思議だ。
そんなこと考えているとクリスからつねられた。
!!、な・何?
「今なんか変なこと考えてたでしょ?」
「えっ?変って言っても、ただ看護師さんは綺麗な人が多いなぁって思っただけで、、、」
「それだけですか?」
「うん、他意はないけど」
クリスは訝しげに顔を見ながら
「そんなに看護師がいいなら今度ナース服着てあげますよ、嬉しいでしょ?」
「あぁ、風邪引いた時とかに頼むよ。
なんで機嫌悪いんだろ?」
「さあ、そろそろ巡回しますか」
「次も後衛、銃士・僧侶ですか?」
「うん、それと次は外観不可視モード出来る?」
確認してみる。
「それは大丈夫です」
「じゃあ、お願い」
それから2時間掛けて5名に射撃して廻った。
さすがに集中治療室には入り込めなかったけど。
効果は明日にでも確認してみようと思う。
「今日はこれで打ち止めだな」
「お疲れ様でした〜、後はゆっくり出来ますね」
なんか嬉しそうだね。
「どうしたん、なんか嬉しそうだけど?」
「そんなことないですよ、ただ元気になってくれて嬉しいだけです。
それに、自分の治療より他人の治療を優先するところはブレないなと思って」
・・・・あっ!
固まって動かないのを見て
「・・・もしかして気づいてなかったとか?」
「ソンナワケナイジャナイカ・・・
ヒトノタメニハタラケテウレシイデス」
もう治りかけだし、休みも貰えて十分休養取れたから別にいいんだけど。
おまけに入院費タダで生活保障も付いてるし、生命保険の入院手当も貰えるから相当な利益だよ。
痛いのは二度とゴメンだけどさ。
クリスは呆れつつなんか嬉しそうだった。
「明日も同じことするつもりだけど、誰か重傷っぽい人はいなかったかい?」
今日ある程度回復させられたと思うけど。
「今のところはいませんね、死にそうな人も」
そこで何か思い出したようで、
「あ〜、でも老衰っぽい人で亡くなった人を呼び続けているおばあさんがいます。多分若い頃に戦争で亡くなった旦那さんの幻を見ているのかも知れませんね」
「その人はもう?」
「看護師さんの話から推測するともう・・・」
旦那さんが戦争に駆り出されて戦死ってパターンかな、子供だけは残して逝ったんだろうか。
「そうか、今日の分は使っちゃったから明日にでも見てみようかな」
あれが使えるかも知れないし。
そろそろ面会時間終わる頃となった。
ここは個室だから人の目は気にしなくていいけど、看護師に見つかったら追い出されてしまう。
「クリス、そろそろだろ」
「はい」
そう言いながら妖精サイズの不可視モードになった。
大きいまま不可視モードでも良かったんだけど、ベッド狭いから寝れないんだよね、二人では。
そこら辺は不満そうだが後二日くらいの辛抱なので我慢してもらう。
退院したら何か買ってあげようかな、お金も入るし。




