29 次なる目標へ
衝撃の接触&通過儀礼から一日経った後、クリスにレベルアップボーナスの付加を願った。
「クリス、レベルアップの付帯追加だけど、テレポートは可能かい?」
「テレポートですか?難しいですね。
ちょっと聴いてみます」
駄目元で聴いたんだが不可能じゃ無いのかな。
そういう技術はあるのだろう、あまり驚いてはいないし。
・・・暫くして返事が返って来たようだ。
「レベル5のアップ記念で特別にOKだそうです、但し・・・
1、過去に行ったことがある場所である事
2、一日二往復までである事
3、目視出来る場所ならテレポート可能
以上の条件が付きますが川さん単独で使用可能です」
「うん、それで構わないよ。
付帯処理を頼む」
即決した。
「それでは降ろしますね、・・・はい、終了です」
相変わらず付加されたどうか解んない降ろし方だな。
これで飛べるのだろうか?
とりあえず近場でイメージしてみよう。
じゃあ、会社へ行ってみようかな。
思い浮かべて・・・瞬移!
一瞬真っ暗になって明るくなった時には工場の従業員入口にいた。
出来たな・・・一度帰ろうか。
アパートの部屋をイメージして・・・瞬移!
暗くなって明るくなった後は部屋だった。
「これはすごいな!ここまで出来るとは思わなかったよ」
ちょっと興奮気味になってた。
「瞬間移動先は人の目が届かない場所になりますからね、イメージと別の場所に行っても驚かないようにして下さい。
とは言っても半径200m以内の場所に出るようになってますけど。
但し、目視出来る範囲ならば思った場所に移動可能です」
まあ、そのくらいなら許容範囲だな。
試しも済んだ事だし、じゃあ準備して普通に出勤しますか。
「朝ごはん出来てますよ、食べましょうか」
なんかもう慣れちゃったけど、嫁に先立たれて娘がその後を引き継いでしっかり者に育っている状態に感じる。
なんかもう自虐ネタなのかリア充なのか判らんな。
それはそうと、クリスは最近仕事で付いて来る姿以外はこの大きさなんだけど、完全に普通の人間にしか見えないな。
どういう構造になってるんかな?まあ、考えても解んないけど。
そんな事考えてるとクリスが訝しげに聴いて来た。
「ご飯美味しく無かったですか?」
飯が美味くなくて黙っていると思ったようだ。
「いや飯は美味いよ、ちょっと考え事してただけ」
そう言いながら右手を出した。
???となりながらもクリスも右手を握手するように出す。
触りながら、感触を確かめながら握手し肌触りを確かめる。
「どうしたんですか?何か変ですか?」
「ああ、ごめん、どういう作りになってるのか気になってしまって触っちゃった。
なんか人と同じ触り心地なんだなって思って」
といいながら放してしまった。
「いやだなぁ、いつも触って確かめてるでしょ?」
「えっ?いつ?」
覚えがないんだけど!?
「えっ?寝てるときに何回か抱きついて触って来てたでしょ。
もしかして寝ぼけて触って来てたんですか?」
・・・・覚えてない、というか知らない・・・
呆然となっている私を見て察したのか、半笑いで爆弾を落としやがった。
「溜まってるんじゃないですか?相手しましょうか?
今日でも一緒にお風呂入っちゃいます?ふふっ」
と言いながらちょっと肩のあたりをはだけさせて見せてきた。
「・・・・すまない忘れて・・・・記憶から消して下さい・・・・」
朝から残念なことになってしまった、くそ!
朝の準備を済ませていざ出勤
クリスは妖精サイズとなり肩にのっている。
今日もこれから仕事だ。
終わったら詫びスイーツでも進呈するか、早く記憶から消してもらうために。
今日も一日安全運転で過ごしながら何事もなく済むように祈りますか。
「クリス、一緒にレベル10目指そうな。
急がず・慌てず、でもちょっと早歩きで」
「そうですね、私たちが一番早く到達して名を残しましょう!」
そう誓いながら仕事に向かうのだった。




