25 接触
あれから1週間経過した。
あの時、レベルアップボーナスは?って聴いたんだけれど、なんかレベル5になった時は特別に聴かれる事があるらしくちょっと時間が掛かるそうだ。
その間、欲しい能力を考えていてくれだって。
そんな状況で待ちの状態。
「川さん、今日コンタクトあるようです」
「なんの?」
「レベル5になった人への接触ですよ」
「ああ、そう言ってたね、それでどこで?」
「さぁ?私も初めてなんでどうやってコンタクト取るか知らないんです。
向こうから接触してきますよ多分」
「それじゃ接触あるまで自由行動しときますか」
いつものごとくショッピングモールを二人でぶらぶらと歩いていると、
「レベル5のお祝いになんかして欲しいことあります?」
「どうした?今急に」
「たまにはいいじゃないですか、キリのいい数字ですし」
「そうだなぁ、特に何もないけど」
「なんかあるでしょ?裸エプロンとか?」
「・・・・・・私は変態か?・・・・ありだけどなんか違うな・・・あ~そうだ、着物着てみるかい?」
「着物ですか?データ検索すれば・・・」
「いや、リアルに着付けてもらうんだよ、店でレンタル出来ると思うんだけど。
いつもと違う服もいいんじゃないかと思ってさ、一度着付けてもらったら2回目はデータ処理できるだろ?」
「はい、ではそのように」
なんて会話しているとクリスに通信が入った。
しばらくやりとりを黙って見ていると、話が終わったようで
「今から接触するようです」
「???今から?」
廻りを見渡していると、変な三人組が遠くからこちらに真っすぐに向かってきた。
見た目40前の背広着た男性と20前半の若い男、それから50くらいの男性だった。
「初めまして、私は国の機関の秘密部署の者です、訳あって本名と詳しい部署は申し上げられませんが」
そう言って警察手帳を見せてきた。
一応、そっちの人なんだ。
「こちらの若い男が私の連れでもう一人は・・・そちらの連れの女性、いや監視者のほうが詳しいかもしれませんが」
クリスの方を見ると頷いていた、知ってる奴かな?
「ここではちょっと聴かれるとまずいことも多々ありますので、一度近くの署まで御同行願えますか?」
ちょっと考えて、クリスの方を見ると首肯したのでOKの返事をした。
「車なんで後ろから着いて行っていいですか?」
ちょっと考えて、解りましたとの返事が返ってきた。
「それでは参りましょう、私の連れをそちらの案内役に付かせます」
そんなわけで着いたのが宗像市にある警察署。
「改めまして、私が特務部署の山口と言います、先ほど申した通り仮名です。
そしてこっちが高知です、こちらも仮名です」
とりあえず会釈と簡単な自己紹介のみしてみた。
「それでこちらの年配の方は?」
「お気づきかと思いますが、そちらの監視者の上司であるマスターと呼ばれる方です」
クリスを見ると肯定しているので本当なのだろう。
「そんな方がわざわざ接触してくるということは重要な案件なんでしょうか?
それに、国の機関と一緒ということは国家の上層部はこの実験を知っているという事ですよね?」
誰でも疑問思うことを聴いてみた。
「詳しくは申し上げられませんが、概ねその通りです。
接触に関してはレベル5になった人に対して・・・というか実験体と監視者に対してこれからの意思確認のための必須事項と御理解願います」
あっさりしてるな、今更隠しても同じなんだろけど。
多分、それだけじゃないんだろうなぁ、覚悟を決めてもう少し突っ込んでみるか。
「別にレベル5になったからってマスターが表彰しに姿を晒したり、国家機密をばらしに来たわけじゃないのでしょう。何の目的なのでしょうか?
駆け引きは苦手なんで本題に入ってもらったほうが助かります」
「そこまで理解しているのなら余計な事は喋らず本題に入りましょうか」
「先ほども申した通りレベル5になった実験体の称賛とこれ以上続けるか?の確認です」
それだけか?情報が少なすぎる、というか国家機密にするほどのことか?
「・・・それだけで国の機関が動くのは軽すぎますよね?」
まだ隠していることがありそうだ。
「これ以上は個別で意思確認を行う事になりますがよろしいですか?」
「個別って、私とクリス別々に最終確認ということですよね?、それでマスター直々に降臨って事なのでしょうか?」
山口氏は黙って頷きクリスも同様だった。
私も頷き返して肯定の返答とした。
「それでは私たちは部屋を替えましょう、三人で話し合いとなります。
監視者の方はそちらのマスターと話し合いをここでお願いします」
終わったら待合室で落ち合うこととなった。




