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ピンチべだ!

カフェの中はレトロな感じで雰囲気はかなりいい。それに冷房も聞いてて心地いい。


「ちょっとあかり、僕は別に大丈夫だべだよ。」


「うるさいうるさい、あんたがよくても私がよくないんじゃ。」


やいのやいの言う枝豆を無理やり店内に入れ案内された席につかせた。


「はぁ…店員さん、表の看板にあったパフェを1つください。あ、あとカフェオレを1つ。」


颯爽と注文を終わらせ席の向かい側にいる枝豆をみるとムンッと不機嫌そうな顔をしていた。


「なに、文句あるの?」


「あるべだ。勝手に話を進めるなんて酷いべだよ」


理由に関しては枝豆は気づいてないらしい。別にそのことを詰めるつもりはないが、なんとなく軽くデコピンをした。


「痛いべだ!」

枝豆はおでこを抑え、若干涙目になった。


「人間の姿に変身したのは私のためにってことなんだろ。なら私も何かしてあげないと駄目だろ。」


「うぅ…」


「はい、これで終わり。あまり騒ぐと他のお客さんに迷惑になっちゃう。」


すると店員さんが水の入ったコップをテーブルに持ってきた。


「あ、ありがとうございます」


「仲がいいですね。姉妹ですか?」


「えーと、まぁそんな感じです。」

苦笑いを浮かべながら曖昧に答えた。

枝豆はなにか言いたげだったか目配せし、口を閉じさせた。。

…下手にしゃべらせると墓穴ほりかねん。というか枝豆の語尾「べだ」とか絶対変に思われる。


「では、ごゆっくり。」


そう言い残し店員さんは去っていった。


「なんか、あかりうれしげべだね。」


「そ、そう?」

…よかったー、仲のいい親子って言われなくて。

と内心では安心しており、思わず表情に出てしまっていたようだ。


そしてしばらくして


「こちらカフェオレと季節のフルーツパフェですね」

パフェに乗っている果物が宝石のように光っておりとても綺麗だった。


「お、おいしそうべだ~!」

枝豆は目をキラキラと輝かせていた。


「はいはい、早く食べてね」


「あかりは食べないべだ?」


「え、私のことは別にいいから気にしないで」


「じゃあ、遠慮なく」

ぱくっと大きな一口でパフェをほおばる枝豆は幸せそうだった。その姿を眺めながら、私はふと、ある疑問が頭をよぎった。

…ていうか店員さんは姉妹だと思われていたがこいつの性別ってどっちなんだろ


カフェオレを飲みながらじーっとパフェを食べている枝豆の顔を見つめてみる。

顔立ちが子供だからいまいちわからなかった。服装もボーイッシュめであるため男のと言われればそうだし女の子と言われれば女の子にも見える。

「どうしたべだ?」

視線に気づいたのか枝豆がスプーンを止め首を傾げた。


「あ、えーと…枝豆って性別あるの?」


「…今の性別は女べだけど、あかりは男がいいべだ?」


「ん?!」

口に含んだカフェオレを吹き出しそうになり、慌てて手で押さえる。


「妖精自体には性別はないべだけど、人間の姿になるときは体を作るうえで性別を設定しないといけないべだなんよね」

口の周りに生クリームをつけたまま枝豆は平然と言ってのけた。


「な、なるほど?」

…つまり今の枝豆にはついていないこということか。……てか自由に変えれるのかよ。

ますます枝豆の構造についての疑問が深まる。


「それで…あかりはどっちがいいべだ?男の子の僕と女の子の僕。」

じっとのぞき込むような形で枝豆が私の顔を見る。


「そんなこと聞いてくんな!」

ぱっと顔を反らしカフェオレを一気飲みする。

……っち!枝豆のくせに、ちょっとかわいいって思ってしまった。


■■■


パフェを食べ終え私たちは当初の目的であるスマホショップへと向かった。


「枝豆、しゃべるんだったら語尾を普通にしてくれ」


「べだ?これは僕のアイデンティティだから嫌べだよ」


「できるよね?じゃないとおいてく。」


「うぅ、分かったべ…分かったよ」

嫌ががる枝豆を無理やり納得させ店へと入った。休日ということもあり家族連れなど人で込み合っていた。

列のできているカウンターへと並びとりあえず待つことになった。

そして数十分後、ようやく私の番がきた。


「お待たせいたしました、本日のご用件をお伺いします」

店員さんはかなりの人をさばいて疲れているはずの笑顔で接客していた。


「えーと実はスマホが壊れちゃいまして」


「あーなるほど…」

店員さんは電源ボタンを付けたりなどいろいろと試したが反応はしなかった。


「少しこちらのほうで預かって調べてみます。また別のカウンターでお呼びしますので少々お待ちください」


スマホを預け手渡された番号札をもって待合室に移動した。


「店員さん大変だね。ずっとお客さんの相手してるよ」

待合室であらためて店全体を見渡すとどうも店員の数が少なく人手が足りてないように見えた。


「さっきの店員さんも大変そうだったよね」


「……」


「どうかした枝豆」

むむむと眉を八の字にしうなっていた。


「……ただの予感なんだけど、もうすぐ生れるかもしれない…のだ」

必死に語尾のべだを変えようとしているためか、さっき列に待ってるときから語尾が安定してなかった。しかしそれよりも枝豆の発言が気になる。


「生まれるってまさか怪物のこと?」


「そうなの。トリガーは…さっきのお姉さんになるだよ」

怪物達が現れる原因は人の負の感情が集合すること。そして強いストレスをもった人間の魂から羽化してしまう。今回の場合は店員さんの負の感情が当てはまるだろう。


「さっき測定器で測ってみた…のだけども」

枝豆の右手には温度計?のようなものが握られらていた。


「さっき測ってみたら基準値を大幅に下回ってただ。」


「おそらく、長くないべ…かも。とにかくあかりは早くここから逃げるべきだすよ。」


「あ、そうか!」

私の変身の姿は周りに見られる都合上ここで怪物を倒す訳にはいかない。


加えて怪物は魔法少女を認識したらすぐに襲ってくるとなると私は怪物の出現前に私はここから離れないといけない。


「スマホはほっといて外に出るべきなのだ。万一、大衆の前で魔法少女の姿を晒したら…」


逮捕、通報、とにかく間違いなく警察のお世話だろう。それだけは避けなくてはならない。

しかしさすがにスマホを預けっぱなして出てくわけにはいかない。一応中にはデータが残っているわけだし。


私は急いでカウンターの方に行き、急用が出来たという旨を伝えスマホを返却して貰うように頼んだ。


「わ、分かりました。少々お待ちください」

店員も困惑していたがこっちが余程焦ってるのを感じたのか急いで裏の方へといった。


「ま、まずいべだ…」

枝豆の視線の先をみると、さっきの店員の頭上になにかが生えているのが見えてしまった。


「うわ?!なにあれ。」

今までは既にいる怪物を倒していたが、実際に生まれる瞬間を見るのは初めてだ。


「出てこようとしてるんべだよ!スマホの受け取りはいいから早くここを出るべだ!!」


しかしその声が聞こえたときには、もう既に怪物の上半身まで見えていた。しかしそんな除隊でも店内にいる人は全員見向きもせずがやがやといつも通りにいる状態が不気味だった、

できる限り周りの人に不審に思われないように平静を保ったが少し怖くなってきた。


足がすくみ、頭では走れと思っているはずなのに動けない。


いよいよ怪物が完全に顕現し、その目は完全に私を見ていた。

まさに絶体絶命、そのとき


バンッ!

銃声が鳴り響き怪物の目に当たり大きく怯む。なにごとと思い周囲を見渡すも、他の人にはその音が聞こえてない様だ。

……あれほどの音が聞こえてない?いやそんなわけがない確かに銃声は聞こえたはず…


その直後、店の入り口から悠然と歩いてくる少女がいた。

しかしただの少女ではない。まさかの服装が“紫を基調としたドレス”だった。そして周り全員私以外全くその少女に見向きもしない。まるで見えていないかのように。


間違いない……あれは魔法少女だ


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