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第29話 介休の虐殺

 劉曜(りゅうよう)大陵(だいりょう)から去った後、その後釜として冠軍将軍(かんぐんしょうぐん)喬晞(きょうき)が派遣された。


 彼は荒廃した大陵の城では晋軍を防げないと判断するとさっさと放棄して、大陵の南に位置する介休(かいきゅう)へ向かった。


 介休には賈渾(かこん)という晋の県令が兵1万と共に守っていたが、喬晞は夜襲による不意討ちで晋軍を撃破すると彼を捕縛することに成功した。


「............ッ!!」


「賈渾よ 晋など所詮、魏帝(ぎてい)から簒奪して出来た国に過ぎぬ 魏もまた漢帝(かんてい)から簒奪して出来た国だ 我が主・劉淵(りゅうえん)は漢帝の血を引くお方 また民も元を辿れば漢帝の民だった 共に漢王に仕え、大業を成そうではないか」


 喬晞は縛られている賈渾の前に膝をつくと諭すようにそう語りかける。

 しかし賈渾は喬晞の言葉を遮りこう言った。


「貴様らは純血の漢ではない かつて漢の高祖(こうそ)を追い詰めた冒頓(ぼくとつ)の血が入っているではないか その後も度々我が漢の民を虐げたのは貴様らではないか? 衛青(えいせい)霍去病(かくきょへい)の討伐を受けた事をお忘れか? 貴様らは漢の敵でありながら漢王の号を僭称した不届き者よ!! そもそも壁外の禽獣(きんじゅう)漢の民(人間)の真似をするとは言語道断!!」 


 恐らく賈渾は既に死ぬ覚悟が出来ていたのだろう。匈奴(きょうど)いや、長城から外に住まう人を獣と呼ぶのは彼らに対しての最大級の侮辱にあたるのだ。


 この禽獣という言葉を聞いた喬晞は穏やかな態度を一変、獰猛な獣の如く賈渾の頭蓋を鷲摑みにすると地に叩きつけた。


「..........ッ!! クソ野郎がッ!! 禽獣だから我らを奴隷の如く扱っていいって訳か!! こっちはアンタらとは違って日々を生きるのに必死なんだよ まあ物を奪い、人を攫い、女を凌辱するような貴様らに、我らのような弱者の気持ちは分かるまいな!!」


 怒りが収まらない喬晞は賈渾に馬乗りになるとその顔に幾度となく拳を叩き込んだ。

 口元が裂け血が滴り、鼻骨や頬骨が砕ける.............


「ハァ ハァ ハァ............お前達コイツを処刑しろ 四肢を砕き耳鼻を斬り、目をえぐり取ってから斬首しろ」


「ぎ、御意」


 顔面ボッコボッコにされて虫の息となった賈渾を漢兵は引き摺るようにして刑場に連行していった。



 そして間もなく刑の執行が終わるとその首級は城門に晒されることになった.............



「我が種族は迫害に迫害を受けてきた ならば迫害に対する復讐も天は許すだろう いけ!! お前ら!! 我らを虐げてきた悪しき晋の役人を皆殺しにするのだ!! かかれぇ!!」


「「「うォォォォォォォ!!!!」」」



 喬晞は兵を煽動すると介休の役所を襲撃 役所にいた晋の官吏を血祭りに上げていった。老若男女を問わず虐殺され役所には怨嗟の声が木霊した。


 そして喬晞は自ら賈渾の邸に踏み込むと、賈渾の妻に見惚れて我がモノにしようとする。しかし賈渾の妻は ”私から平穏な日常と優しい夫を奪った貴様を許さない“ そう言い残すと自害してしまった――――――

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