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田舎カスの日々  作者: 月鏡水バケツ
蛇足編

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88/90

蛇足編 「もしも研究していたら」

「テッテレー!!!タイムマシン!!」

 研究所で、優子はタイムマシンを完成させた。

「うおおお!!これで昔の私に、職には就けよと言えば未来が変わるぞ!」

「やりましたね先生!いや、優子さん!」

「私は行く。期待して待っていてくれ稚陽」

 優子は、そのマシーンの中央の席に乗り込んだ。

「テストの許可や報告の方は?」

「過去に行けばそんなもの不要だ!」

「わかりました!私に五段アイス買ってくださいねー!」

 優子は、粒子空間加速装置を起動した。

 ゴウンゴウンと揺れ、ピシピシといろいろと限界な音が鳴る。

「先生!臨界点突破!これ以上は......!」

「どうした!?」

「無意味です!!」

 稚陽は、白パンを白旗の如く掲げた。

「――ハッ、甘いな。五段アイスの如く甘い!!」

「五段アイス......!」

 稚陽に、雷のような衝撃が走る(物理)。

「意味なんて、後から付け足すものなんだよ......!」

「ならっ、過去に行く必要なくないですか〜――」

 バツン!!

 優子は、体にとてつもないGがかかるのを感じた。

 踏ん張りに負け、優子は意識を失った。




 ドガアァン!

 外からの音に、優子は目を覚ました。

「......ぐえぇえ!?ベルトがぁ!!」

 その攻撃じみた圧迫に、優子は急いで脱出した。

「変なとこで死ぬかと思ったぁ」

 プスン、プスン......。

 背後から、機械が煙を立てる音がした。

「ま、待て!まだ逝くな!」


 タイムマシン、死去。

 

「くそぅ、帰れねぇよぅ」

 優子は顔を上げる。

 そこは、何もない草原だった。

「ど、どこやねぇえん」

 過去に戻ったというのならば、タイムマシンを直せる技術などあるはずがない。

 優子は、何も失っていないが、とても悲しくなった。

 その正体は、わからない。

 きっと、ゴロゴロとしていた日々が今更恋しくなったのだ。

 キュエエェ!

 上空から、甲高い何かの鳴き声が聞こえた。

 優子は、ハッと上を見上げる。

 キョエエェ!

 空には、己を喰わんとする、翼の生えた、体表鱗の、あの生き物がいた。

 ドラゴンだ。

「ぎゃあぁあ!!」

 優子は、赤色のドラゴンに襲われていた。

「中生代なの終わったあぁ!!」

「ハアァ!!」

 どこからか、稚陽勇敢ver.のような声がした。

 ギュエェ!

 ドカンと衝撃があった後、赤いドラゴンは、尻尾を巻いて逃げて行った。

「大丈夫ですか?」

「ありがとう稚陽、いや、稚陽のご先祖様......!」


 これが理想である。

 しかし、現実はこうだ。


「ダベハンディナ?ルベ」

「......は?」

(恐竜時代に人?言語わからんし、これ終わったやつだ)

「......大丈夫です。私はこのままで......」

「デブハンデバ!ラムペルソ」

 優子は、どこか稚陽に似たその人に、手を引っ張られた。

 身長は、稚陽より大きい。

「フンデブラ、アム!」

「あー......」

 優子は、必死に言葉がわからない事をジェスチャーした。

「エ、ムソ?」

 どうやら、伝わったようだ。

 お互いに、謎の舞が始まる。


 暫くして、宿らしき場所に案内された。

 そこで、少し言葉を教える様子だ。

「ンー......ン!」

 その人は、自分に指を差した。

「ミラ!ン!」

 そして、優子の方に指を差す。

「あ、優子?」

「ユウコ?」

「ユウコ」

「ユウコ!」

 馬鹿みたいな会話でも、着実に伝わっている事はすごい事だ。

 相手の名前は、ミラという。

 その日優子は、宿に泊めてもらった。

 女湯に強く引っ張られたので、自分が男であると伝えると、伝えるジェスチャーが悪かったのか、ミラは激しく赤面した。


 後日、ミラは優子を図書館のある町に連れた。

 優子は、そこで一日中言葉の勉強をした。

 タイムマシンを設計し、実現(失敗)させた優子にとって、それは難しい事ではなかった。

「これは?」

「ムリ〜」

「そんなぁ〜」

 優子は一気に疲れが出て、寝そうになった。

「優子さん」

 突然、ミラが日本語を話し出した。

「あなたは、二度と帰れません」

「な......」

「二度寝も出来ません」

「そんなあ......!!」



「ハッ!?」

「あ、起きました?」

「どこ!?」

「え、家です」

「はぁ〜、変な夢見た」

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