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田舎カスの日々  作者: 月鏡水バケツ
田舎編

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70/90

七十話話 「田舎カス日々」

 今日が最終日だから言うけど。

 今更、本当に今なんだけれど。

 本当に、クソだったなぁ、この暮らし。

 自分が少しまともな倫理観を手に入れて、こうも見え方が変わってしまうものなのか。それも、悪い事だとは思わないけれど。

 私だけ出て行って、新しい生活を享受して、野美子たちはここに置き去り。

 いいじゃないか、日和の言う通り、ちゃんと人生を生きるって、決めたんだ。

 そう。そうなんだよ。

 戻らない。たとえ姉さんに「また何かあったら戻ってきていい」と言われても、野美子が大変で、安音あたりに助けを求められても、大家さんが釣りとかに誘っても、稚陽が漏らしても。......稚陽ごめん。あ、そうだ。どこかで進学したいとか言ってたから、就職先だけ教えてあげようかな。

「はぁ〜〜......」

「優子」

 突然、後ろから野美子の声がした。

「え?」

 後ろに、いた。

 以前の野美子であれば、恐怖したことに違いない。しかし、今の彼女はなんかこう、良くなった。後ろにいたのが、テレビから出てくる系や飲んだくれ系幽霊でないのは助かる。

 ただしかし、あら、合鍵を渡したつもりはないけど。大家しか持ってないのよ?......大家の手回しか?

「優子、あのね......」

 何だ、何を言おうとしているんだ?

「な、なに?」

「さ、さっき、稚陽ちゃんと背中にひっつきむしつけたの」

「え?」

「ごめん」

 うん。

 やっぱり、自分の決断は信じるものだな。

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