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四十八話 「案内人優子」
優子と稚陽は、手持ちの荷物を持って、部屋に移動した。
「はい、ここが君の部屋」
「おお〜!!」
「鍵はこれ。入って左が洗面台とか。箪笥は奥にあるよ」
「わかりました!では早速......」
稚陽は、自身のキャリーケースを開け、中身を取り出し始めた。
「......何してるんです?」
「何って?」
「手伝ってくれるんじゃないんですか?」
「えっ?」
大家と稚陽のやりとり。
【入居の時は荷物手伝うから】
【ありがとうございます!!!!!!】
(あんのクソハゲ......!!)
「あ、もしかしてお忙しいですか?」
ポイポイと服を投げていた稚陽の手が止まる。
「いや、そうじゃなくて、てか遅いけど、私男」
「おと、こ?」
「男」
「おとこさん?」
「違う、性別!」
「ええ〜!?!?やばっ、下着丸投げじゃん!!」
「え、まぁ......」
稚陽は驚いて両手を頬に押さえた。
「あっごめんなさい!」
「いや大丈夫だよ」
「優しい!始まっちゃうの!?私の青春!!」
「人前で言う事じゃないでしょ......。安音呼んでくるから、待ってて」
優子は、スタスタと踵を返した。




