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四十二話 「便座の刺客」
実輝の部屋にて。
「うっ。配信のせいで漏れそう」
実輝は、トイレに駆け込んだ。
「早く早く......」
急いでズボンを脱ごうとする実輝。
しかし、その便座には先客がいた。
全く微動だにしないが、確かにそこにいる、小さなやつ。
「えっ......」
そこそこ大きめの蜘蛛が、そこにはいた。
「あっ無理......」
実輝の腰が下がる。
ガクブルと脚を震わせ、指先は地面を不器用に掴んだ。
「ぜ、全部......」
実輝のズボンに、ジワッと暗い何かが広がった。




