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064. 水晶龍をつれて

 お昼ご飯を食べ終えると、私はキッチンの片付けを。

 晃生さんは水晶を木彫りの龍の形と同じにするためレプリカ作業を。


 本で読んだところによると、アーティファクトを使い、アーティファクトのレプリカを作るという作業はまるで魔法のようで……ぜひ見てみたかったのですが――。


 また今度、機会があったら見せてもらいたいですね。


 片付けが終わる頃には晃生さんの方も作業完了したようで、様子を見に行くと作業机の上にはすでに――光り輝く水晶の龍が完成していました。


「レプリカ作業って、本当にすごいですね!」


 木製の子と寸分違わなそうな水晶の龍――。

 その完成度の高さにも驚きです。


「レプリカ作業は精神力が鍵だからな。おかげで俺の気力は底をついたが――。

 なんとか完成できてよかったよ……」

「本当にお疲れ様です――」


 その時です。水晶龍の光が、まるで何かを伝えているかのようにゆらゆらと揺れはじめました。


「――もう話はできるのですか?」


 水晶の子が何と言っているのか、気になって聞いてみますが……


「作業直後だからな、まだしばらくは無理だろう……」


 それなのにこの光量――。

 今まで見たどのアーティファクトよりも強い光に、私はある()()をしてしまいます。


「それで、な。本家へ行った後、直接神社の方へ行こうと思うんだが……」

「いいですね、行きましょう!」

「トウマが持っていってくれるか?」

「私が……ですか?」

「そのポーチの中に入れていって欲しいんだ……本家の者達に見つからないよう――」


 なるほど――


「わかりました」


 そして私たちは本家へと向かい、森の出入り口に到着すると――


「これは――――」


 目の前の状況に、私は唖然とするしかありませんでした。


「今朝見たものは夢だったんでしょうか……?」


 そこには、まるで何もなかったかのような佇まいのお屋敷がそこに――。


「いや……アーティファクトで修復したんだ……。

 これは――当主が戻ってきているな――――」


 当主というと……


「晃生さんのお父様が……」

「水晶龍をトウマに……そのポーチに持ってもらって正解だったな……あの人がいるとなると、確実にバレただろうから――」

「もし見つかってしまったら……どうなるんですか……?」

「持っていかれる。力の強いアーティファクトは、政府へと献上されるのが常だから……。

 まぁ……そのおかげで、さまざまな地域で人々が生きていくことができるんだが――」

「そう……なんですね――」


 晃生さんは少し緊張し表情を固くしたまま……細い草の道を進んで行きました。


 裏口の戸を開き中に入ると、お手伝いさんたちがバタバタと走り回って何かをしています。

 そのうちの一人がこちらに気づいて声をかけてきました。


「晃生さま、よくいらしてくださいました! 当主様と奥様が書斎の方でお待ちです」

「ありがとう」

「こちらから上がってください。

 履き物は玄関の方へお運びしましょうか?」

「いや、このままここで良いよ。その方が離れに近いから」

「わかりました」


 庭から屋敷の中へと入り、私は晃生さんについて行きました。


 晃生さんのお部屋とは反対の方向へ、そして屋敷の内部の方へ進んでいくと……純日本家屋のような外側からは想像がつかない、洋風の木の扉が見えてきました――。

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