第三十三話:ヒロセ、ラメーンを食う2
「と、とんこつラーメンひとつくれ~~~~~~~」
とんこつラーメンを食える日がまたくるなんて。。もうラーメンなんて一生食えないだろうなと思ってたから、俺は思わず叫んでしまった。
「あいよ、とんこつラメーンいっちょー」
美形エルフ店主が元気よく返してくる。
この店主、、エルフのくせになんか言動がエルフっぽくないな。
エルフと言えばプライドが高くて、つんつんしているイメージがあるけどな。この店主は元気いっぱいなラーメン屋という感じだ。
「ヒロセー、ラメーンって、何ラメーンがあるのー?」
ちみっこ妖精が首をこてんと聞いてくる。
「え~~~と、てんちょー、この店は何ラメーンが置いてあるんだ?」
「へい、しょうゆ、みそ、とんこつ、しおなどそろえてますよ。お嬢ちゃんは何が食べたいかなー?」
美形エルフ店主がちみっこ妖精にほほえんで聞いた。ぴかぴかーん。ううーまぶしい。あれが噂のエルフのほほえみか。。
幼女エルフタマはあんなほほえみはしないから、初めてみたな。エルフのほほえみ。
「う~~~ん。よく分からないよー。ヒロセー、何がおいちいのー?」
「そうだなー。全部うまいけどな。。俺はとんこつが好きだぞ」
「えー、全部おいちいのー? 分かったー。わたちもヒロセと同じとんこつ?にするー」
「まいどー、とんこつもういちょー。いや、もうちょっとー」
キラリーンと美形エルフ店主は注文を受け付けて、ラーメンを作り始めた。いやー、本当に本物のエルフはまぶしいなー。
「ヒロセー、楽しみだねー」
「そうだな。ラメーンはうまいぞー」
「わーい」
~しばらくして~
「へい。とんこつラメーン。お待ち。お嬢ちゃんもお待ち―」
「わーい。おいちそー」
しばらく待っていると、俺の目の前に一杯のラーメン、ちみっこ妖精の前にちょっとのラーメンがやってきた。
湯気がもくもくと上がりとんこつラーメン独特の香りが鼻いっぱいにひろがる。
豚骨の白濁スープの上では、うまそうな特大チャーシューがこれでもかとものすごい存在感を放っている。そして、バランスをとるかのように乗っかった半熟卵とねぎの山。
じゅるり。。
こっちの世界にやってきてから、ずーっと夢に見たとんこつラーメンが目の前にある。
「いただきま~~~~~~~す」
俺は思わず久方ぶりに手を合わせて、いただきまーすとやってしまった。
日本の食い物が出てきたんだ、日本のスタイルで行かせてもらうぞ。
「ヒロセー、いただきまーすって何ー」
「いただきまーすってのはな、俺の故郷で食事する前に言う言葉なんだ」
「へー、でも、ヒロセが言ってるの初めて聞いたー」
「まあな、こっちに来てからあまり使ってなかったからなー。それより、早く食わないと冷めるぞ。伸びるぞ」
「そうだねー。よーし。食べるよー。いただきまーす」
そう言って、ちみっこ妖精は器用にラーメンを食べ始めた。どうやらこの店には妖精用のフォークとかレンゲがあるようだ。
「よーし。食べるぞ。いただきまーす」
俺はまずレンゲでスープを一口すすった。
ごくごく。。
うま~~~い。これだこれ、パンチの効いたとんこつ味。
日本にいたときは残業残業で死にかけていた時に、これを食べるのが娯楽のひとつだったなー。
お次は麺をいただくぞ。
ずるずる、ずるずる。
やっぱり、とんこつ味にはこの細麺がよく合うなー。
ずるずる、ずるずる。
ずるずる、ずるずる。
うま、うま。
よし、今度はチャーシューを食べるぞ。
むしゃり、むしゃり。
おー、ひさびさだな。このやわらかくて、じわじわと出てくるタレと肉汁。何枚でも食べれるぞ。
むしゃり、むしゃり。
う~~~~~ん。うまい。
やっぱり、とんこつラーメンはサイコーだな。。
ずるずる、ごくごく、むしゃりむしゃり。
ずるずる、ごくごく、むしゃりむしゃり。
ずるずる、ごくごく、むしゃりむしゃり。
最後に卵をパクリパクリ。
ぷは~~~~~~~。
◇
「ヒロセー、おいしかったねー」
ちみっこ妖精がテーブルの上で、でっぷりとしたお腹をさすさすしている。初めてのラーメンで口に合うか分からなかったけど、気に入ったみたいだな。よかったよかった。
「ああ、うまかったなー」
ちょーうまかった。クリーミーでパンチの効いた豚骨スープはもちろんのこと、じっくり煮込んだチャーシューや半熟卵がサイコーだった。
これだけうまいとんこつラーメンは日本でもなかなか食べれないぞ。
そう考えると、なんかここでこのラーメン屋をリリースするのが惜しくなってきたな。。
もちろんここのラーメンを食いたければ、ぴーひゃらーを追いかければ食える。だけど、食いたくなるたびにぴーひゃらーを追いかけるのは大変そうだな。
なんとかならないかなー。
う~~~~~~~~ん。
………………。
…………。
……。
…。
う~ん?
うん?
!?
そうだ。
俺の超級マンションの一階でラーメン屋開いてもらったらいいんだ。そうだそうしよう。
「ちょっと話いいか店主」
俺は超級マンションでラーメン屋を開く件を美形エルフ店主に話すことにした。
◇
「ヒロセー、残念だったねー」
ラーメンを食って超級マンションへ帰る途中、ちみっこ妖精がいいこいいこと頭をなでてくれる。
「そうだなー。いけると思ったんだけどなー」
美形エルフ店主に俺の超級マンションでラーメン屋開かない?と提案したけど、あっさりと断られた。
理由は「修行中ゆえ」らしい。
……、なんかかっこいいなあのエルフ。
はあ~~~、ラーメン食いたいときに食えると思ったんだけどな。
あ、スラちゃんとシアへのラーメンのお土産買い忘れたぞ。
俺がそう思った時にはすでにぴーひゃらーの音は遠ざかってしまっていた。




