第三十二話:ヒロセ、ラメーンを食う
「ヒロセー、ヒロセー」
俺がいつものように超級マンションの屋上で日向ぼっこをしていると、ちみっこ妖精がパタパタとやってきた。。
「どうしたんだ、ちみっこ妖精?」
「えっとねー、最近はやっている食べ物があるんだけど―、食べに行こうよー」
ちみっこ妖精がパタパタと俺の頭の上をまわりながら、さそってきた。
「はやっているものだと。おいしいのか?」
「分からないよー。けど、おいしそうなにおいはするよー」
「おいしそうなにおいか……」
俺は日本にいたときは思い出した。
仕事は残業残業でくそみたいなものだったけど、日本ではそこら中においしい食べ物やさんがあったよなー。
こっちに来ていろいろ楽しいけど、食べ物だけは日本のものが懐かしくなるなー。
はー、たこ焼き食べたい。ラーメン食べたい。米まだかなー。。
「どうしたのー、ヒロセー。ぼーっとして」
しばらくぼーっとしてたらしい。。ちみっこ妖精がパタパタと目の前で俺の顔をのぞき込んでいる。相変わらず、ちっこかわいいな。。
「よし、分かった。そのはやってるもの食べに行くぞー」
「わーい。いくよー」
俺とちみっこ妖精は、農作業をしていたシアとスラちゃんに行ってきまーすと言って、はやっているものを食べに行くことにした。
うまかったら、テイクアウトして二人に持って帰ってこようっと。
「行ってらっしゃい、ですわー」
「スラー」
◇
「それでそのはやっているものってどこでやってるんだ?」
超級マンションの玄関を出たところで、俺はちみっこ妖精に聞いてみた。
「分かんないよー」
「分かんないよってどういうことだ? どっか店で売ってるんじゃないのか?」
「う~~~ん。えっとねー、お店では売ってるんだけど、ちっちゃいお店が動いてるのー」
ん? お店では売ってるけど、ちっちゃいお店が動いている? あ~~~、屋台か。そういえば、こっちに来てからもちょこちょこと見るなー、屋台。
ということは本当に絶賛売り出し中ということか。
「え~~~、じゃあ、どこにいるか分からないってことか?」
「え~とねー、なんか動いてるときに、ぴーひゃらーって笛が聞こえるんだよー」
「ぴーひゃらー? なんだそれー。ほんとなのかー?」
「ほんとだよー、ぴーひゃらーって聞こえるんだよー」
ふむ。ぴーひゃらーか。。なんかどこかで聞いた気がするけどな。。どこだったっけ?
「ぴーひゃら、ねー」
俺はそんな会話をしながら、ちみっこ妖精がその屋台を見た場所に向かって歩くことにした。
まあ、最悪そこでゆったりと待ってたら、今日中には食べれるだろう。急ぎの用事があるわけでもないし、ゆるふわーっとちみっこ妖精と待つことにするかー。
-ひゃらー。
ん? なんか聞こえたような。
ぴーひゃらー。
「ヒロセー、この音だよー。この音のところにその店があるよー」
「よし、ちみっこ妖精いくぞー」
「おー」
ちみっこ妖精と俺はぴーひゃらーの音を、俺はダッシュで、ちみっこ妖精はパタダッシュで、追いかけ始めた。
◇
「ぜーぜー、はーはー」
「はー疲れたねー、ヒロセ」
「そうだな。はーはー」
何分か走って俺たちはやっとぴーひゃらーの屋台に追いつくことができた。けっこー疲れたぞ。はー、この魔法以外紙ステータスなんとかならないかなー。
おや、屋台はぴーひゃらーをやめて、店を開けているようだ。
その店からは、なんかほのかにいい匂いが漂ってくるなー。しかも、このにおいは……。まさかね。ここは日本じゃなくて、異世界だしな。。
「ヒロセー、早く入ろーよー」
ちみっこ妖精がかわいく促してくる。
「そうだな。入るか」
俺は屋台に近づいて、
「おっちゃん、二人分くださいなー」
おっちゃんかどうかは分からないけど、屋台と言えばおっちゃんだ。俺はおっちゃーんと屋台の椅子に座って注文した。
ちみっこ妖精はちょこんと屋台のテーブルに座った。
すると、
「らっしゃい。何ラメーンにしますか?」
俺はおどろいた。。だって、そうだろう。おっちゃんだと思って注文したら、美形エルフが出てくるし、それにラメーンだって?
おれの予想が正しければ、ラメーンって、、。
「おっちゃん? ラメーンって、もしかして、塩とか、とんこつのラメーン?」
「塩とかとんこつのラメーンですよ。あれ? お客さん、一回来たっけ?」
…………。
……。
…。
じゅるり。。
「と、とんこつラーメンひとつくれ~~~~~~~」
はー、最近二郎のまぜそば食べてないなー。
じゅるり。。




