変われない先
「いらっしゃい、美花ちゃん」
先週と変わらずとても良い笑顔で迎えてくれる花村先輩。
もう来る予定ではなかったのにどうしてこうなったのか…
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「ねえ美花、花村先輩と知り合いなの?」
登校早々に先週、茶道部に行ったことがどこからか漏れたらしく中学からの友達の木崎 佑果が興味津々に聞いてくる。
「え、なんで?」
私にとっては特にあの日だけのことだったので知り合いになったという気はない。
「同じバレー部の人がたまたま美花が茶道部の部室で花村先輩といるところを見たって。」
あまり人が通るところではないけど見られていたのか。
「美花、花村先輩と知り合いなの?その話、詳しく。」
少し遅れて登校してきたもう1人の中学からの友達の新木 芽衣は、鞄からメモ帳とペンを取り出し取材をするかのように食いついてきた。
「いや、別にたまたま茶道部にお邪魔することになっただけで知り合いって訳じゃ…」
「新聞部として謎が多い茶道部部長の花村 双葉についての情報を見逃す訳にはいかないよ!」
こうなることがわかっていたから知られたくなかったのだ。
中学のころから芽衣は新聞部で様々なゴシップについて扱っていた。
取材を受ける側は大変そうだと思っていたがまさか高校で自分が受ける側になるとは思わなかった。
「成績はトップクラス、しかし女性との関係であまり良い噂を聞かない花村先輩。是非、美花が花村先輩の毒牙にかかるところを取材したいものだね。」
「いや、特になにもないよ。てか毒牙って」
「しかし、人に興味ない美花が花村先輩にと知り合うとはな~」
佑果も先輩についてなにか知っているのだろうか。
「ん?どういうこと?」
どうやら私以外は花村先輩について色々知っているようだったがそれを聞こうとしたとき、担任の先生が入って来て聞くタイミングを逃してしまった。
そして、今日はひたすらにタイミングが悪く聞くことが出来ずに放課後。
花村先輩の事を考えていたら佑果も芽衣も教室にはいなかった。
「あー、もう部活行っちゃったのか~」
重い腰を上げて帰りの支度を済ませ、下駄箱に着いた時だった。
「あれ?美花ちゃん?」
そこには、綺麗な黒髪をなびかせたこんな学校には不自然なほど綺麗な花村先輩が駆け足でこちらに向かってきていた。
「こんにちは、花村先輩。今から部活ですか?」
こんな時間に残っている私が言うのもなんだが放課後になってからそれなりに時間が経っていた。
何かしていたのだろうか。
「いや、今日は部長会議で遅くなって、あと部員はみんな用事があるからって帰っちゃったから私も帰ろうかと思ってたんだけど…」
何やら考え込む素振りをしている。
私の勘がめんどくさいことに巻き込まれる気配がするから切り上げて帰れと言っている…!!
「会議だったんですね!お疲れ様です。それでは私は…」
「せっかく会えたんだし部室来ない?」
私の声を遮って目を輝かせている先輩にNOと言える訳もなく…
二人で茶道部の部室に向かった。
「それにしてもあれから全然来てくれないからもう会えないかと思ったよ~」
先輩がお茶の用意をしてくれているが申し訳なさでそわそわしてしまう。
「いやいや、会えないなんて大袈裟ですって」
差し出してくれたお茶を飲みながらお菓子をつまむ。
「それでさ…聞きたいことがあるんだけど…」
なんだろう。普段は綺麗の顔だけどふわふわしている先輩がとても真面目そうな顔をしている。
「美花ちゃんはさ…私の事…」
え、この流れって告白…?
「私にいつになったら告白してくれるの?」
「…………………………………………え?」
ほらね?やっぱりめんどくさいことになった。




